小説のカケラ<生き続ける大地を目指して>
連番の日はショートショート。ネタを先日考えながらお手伝いの農作業をしていて、
その辺のお話はこちら
いいなと思ったことがあったんだけどだいぶおぼろげ。
暑さにやられている自分、かけるかな・・。(本当にその場で書くのでめっちゃ不安・・)
いってみよー
というわけで本日のショートショート
前回と前々回はこちらから
(続きものではないですが、設定は同じです)
生き続ける大地を目指して
まだ朝が明けるか明けないかの時間だった。それでもナブンでは外に出るというようなことはしない。太陽が出てくれば、ドームの外は暑すぎるし、綺麗な空気も水もない中で自殺行為だからだ。
それなのに空気と水をナブンから支給されているナルで何も管理されていないドームの外に行くというのはどういうことだろう。そもそもドームの外に農場があるって・・。
私は少し不安に駆られながら太陽発電で賄われているというEVトラックに乗っていた。
トラックはドームの外に出る用のもので、窓が一切なく、状況がわからない。それが余計に不安を誘う。
昔は戦争などでよく使われていたと聞いたことがある窓のない乗り物。これで戦争に出ていた人たちはどんな思いだったんだろう。本当に連れて行かれる先は農場なのだろうか。そんな余計なことが浮かんでは消えた。
クウが私の不安な気持ちを察したのか顔を覗き込む。
「もう少しで外に出るけどいいの?」
「いいのって・・?」
「いや、いいんですよ、アオイがいいなら」
クウが私に寄りかかる。不安を取り除こうとしてくれているのだろう。私が不安な時はクウはやっぱりお友達AIで、子供の面倒を見てくれるAIなのだと思う。
「そうだなあ、不安だよなあ、あんたら、ナブンの人間だもんなあ」
そんな私たちの姿を見て、トラックに農場で作業をするために一緒に乗った、おさむのおばあちゃんが笑っていう。
「わたしらも不安だったんだぁ」
「え?おばあちゃんたちも不安って?」
「ナブンの人は知らないことだからなあ。でもおさむはあんたには知らせたほうがいいっていうもんで」
確かに。
空気も水もナブンより汚れていて、ナブンから二つとも支給され続けているナルにドーム外に出られる場所があるなんて知られていない。
そういう場所があると聞いて向かっている今でさえ、無理して出ているのではないかとさえ思う。
本当にナルでそういう場所が存在するとするならば、ナブンの上層部はどう考えどうするのだろうか。そういった不安もあった。わたしが開けてしまって、知ってしまっていいのかこのパンドラの箱を。
でも、ずっと地球をなんとかしたくて、みんなをなんとかしたくて動いてきた私にとっては希望になるとどこか心の中で確信していた。
「あんたのお母さんのお父さんのことだけっども・・」
おばあちゃんが話を続けかけた時、トラックが止まった。
「出るぞー、念のためマスクつけて」
ドームを出るゲートだった。
トラックを運転していた治が言った。私はナブンで普段使っている空気清浄機能を持ったマスクをつけた。これがなければドームの外から出たら普段は5分で人の肺はやられてしまう。
おばあちゃんもつける。
ナルのものはもっと精密に作られたものだと聞いていたけれど、おばあちゃんのは私がずいぶん前に使っていた旧式のマスクだった。
「古いっけー気になるっしょ、でももうほとんど使わねえしなあ」
おばあちゃんは私の気持ちを察してか笑いながらいった。
トラックがドームの外に出てから5分くらい走った頃だったろうか。
「おさむー大丈夫だぁ。正常値だぁ」
一緒に乗っていたおばあちゃんがずっと見つめていた手元の空気成分計から顔を上げていった。ナブンでドームを出たらすぐにけたたましく音を発するだろう成分計はすべての値で正常値を指していた。私のものも一緒だ。私が自分の成分計を確認したと同時に、前を走っていたトラックもクラクションを鳴らした。
合図なのだろう。
おばあちゃんがマスクを外す。
私も恐る恐るマスクを外した。息ができる。
ある意味管理されていない空気を生まれて初めて吸った瞬間だった。
「すごい・・大丈夫だ・・」
私が驚く姿を見ておばあちゃんが笑った。
「きっと降りたらもっと感動するよ」
トラックのドアが開く。ほのかな光も眩しい。
外に出ると、そこは一面の緑が広がる大地だった。地平線の向こうで太陽の光が差し出していた。
一筋の涙が私の頬を伝った。
ようやく見えてきた感じかなと思った今日のショートショート
ああ・・見えてきてるーーー。読んでいる人はえええ!どこがって思うと思いますが。(笑
私が見えなければもっと描けないわけで。
そう、このショートショートは初回で記載しましたが、今後書いていく小説の一部を撮って出ししています。
NewsPicksの講座では違う書き方をしていたのですが
その時のマガジンはこちらを
フィクションもフィクション。前回と全く違うSFを選択したので(選択したというより描こうとしたらそうなったのですが)本当に自分の中では難航をしていて色々試しております。でも少し見えたのでようやく講座で習った書き方に戻そうかなあと思たりしております。
0から何かを生み出す作業。本当に苦しいですが・・
頑張ります。
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こちらは前回なんとか出版できた小説。
読んで感想くれたりしたら泣いて喜びます!
インドに仕事でいった日本人である主人公が奮闘する話です。
普通の会社員の主人公が、ビジネスでインドに滞在し犬を拾ったことをきっかけに、インドの日常に横たわる人々の深層意識やカスタムに触れていきます。
多様性とは生きるとはなんなのか。
NewsPicksでも紹介されました。
なんと、るろうに剣心の大友監督と、ドラゴン桜の編集などもされている佐渡島さんからも書評をいただきました。
こちらで書評と少しだけお読みいただけますのでよかったらぜひ
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