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たにんごと?
みなさんは、「大地震」「神戸牛」を何と読みますか?
僕にとって「大地震・大舞台」は「だいじしん・だいぶたい」だったのですが、「おおじしん・おおぶたい」と聞くことが多くなり、ちょっと違和感なのです。
たぶん、「音読みの漢語と結びつくものは音読みで読む」という小さい頃に教育された?単純な原則に僕の単純な頭が違和感の原因のようで、「日常に溶け込んで日常の言葉として和語化したものは「おお」と読むことの方が基本であるらしいのです・・。
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でも、僕の小さい頃は「だいじしん・だいぶたい」だったなあと、それでも違和感は残るのですが。
一方の「神戸牛」も「こうべぎゅう」ではなく「こうべうし」らしく、これは一時期から盛んに始められた「地域ブランド」という商品化の影響を受けて言葉が変化したようです。
最終的な結論としては「どちらも誤りではない」という極めてアバウトながら日本語の変化のダイナミズムの許容ということになるわけですが、それでも「秋田犬」は、僕の中では「あきたけん」であって、「あきたいぬ」ではないのだがなあという違和感の中にいます。
この間はテレビで「阿蘇山」を「あそやま」と言っていたのですが、それが誤りなのか否か、全く自信がのないまま茫然とした次第ですが。
最近の違和感は、「他人事」の読み方なのですが、これを「たにんごと」と読む人が多くなっています。
「ひとごと」と読むのが正しいと思うのですが、テレビに登場するアナウンサーやコメンテーターが結構に「たにんごと」と言うのを聞きます。
NHK放送文化研究所のHPによると、「タニンゴトということばは誤読から発生したもので、原則として使わない」とのことですが、その表記は「他人事」ではなく「ひと事」であると書かれていて、またひとつ自信を失いました。
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加えて、環境問題や不安な世界情勢の中で、それを「他人事ではなく自分のこととして考えたい」というニュアンスで語ろうとするとき、「他人事」に対して「自分事(じぶんごと)」という言い方を多く耳にするようになっています。
これは「他人事」から連想された言い方なのでしょうが、まったく自信の持てぬまま、「わがこと」と言うのが正しいと僕は信じてみたいのですが、いかがでしょうか。
今日、授業に行くのに教室を間違えました。いつも開始五分前には教室に行って必要事項を黒板に書いてしまうのですが、いつものように板書しいていると、通りかかった同僚に「つっちー(僕のこと)、ここは2年の教室だが」と声をかけられました。
そう、僕は階を間違えて3Bの教室に行くべきところを、2Aの黒板に必死に書いていたのでした。生徒もキョトンとしていました。恥ずかしいことったら―。
ますます自分に自信を失った、今日でした・・。
老いも、もはや「他人事」ではありません。