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抗がん剤の副作用[1]ドセタキセルについて

こんにちは。

本日は私が行っているDC療法の一つ、
抗がん剤ドセタキセルのことについて記事にしたいと思います。

本来、腹膜がんや卵巣がんの標準治療はTC療法でパクリタキセルが主流ですが、私の場合、初回で体に入った途端、アレルギー症状が出て使えなくなってしまいました。
ドセタキセルもパクリタキセルと同じタキサン系なので、副作用も比較的似ていると思います。
ちなみに腹膜がんの標準治療は卵巣がんに準じます。

副作用が少しでも楽に過ごせますように。


ドセタキセルについて

1.薬の名称
[一般名称]ドセタキセル docetaxel
[商品名]タキソテール TAXOTERE

◇DC療法の「D」はドセタキセルの頭文字ですね。

2.適応となるがん
乳がん
肺がん(非小細胞肺がん)
胃がん
頭頚部がん
卵巣がん
食道がん
子宮体がん
前立腺がん

3.作用
細胞障害薬という種類の薬です。
その中で「微小菅阻害剤」と呼ばれるグループに属し、化学物質のタキサンを含んでいます。がん細胞の分裂に関わる微小菅の機能を妨げ、がん細胞の分裂を阻止します。

◇がん細胞が分裂する際に、最初に細胞核内にある遺伝子の本体であるDNAが合成され複製されます。その後複製されたDNAは分裂するそれぞれの細胞に分かれますが、その際に働く物質が微小管です。

◇薬を使用する目的は、がんの種類や病態により異なります。
期待される効果とそれに伴う副作用などのリスクも人によって異なります。

4.投与方法
1時間以上かけて静脈から点滴投与し、通常3~4週間に1回の投与を繰り返します。

5.注意すること
(1)この薬を使用する際に、特に注意がいる人

●骨髄抑制のある人
●間質性肺炎または肺線維症のある人
●肝障害のある人
●腎障害のある人
●浮腫のある人


(2)医師や薬剤師から確認される注意点

●アルコールに過敏である(※)
●妊娠または授乳中。
●以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。
●ほかに薬を使っている。
●健康食品やサプリメントを使っている。


(3)使用上の注意点

●この薬がアルコールを含んでいるものもあるため、注射後、自動車の運転、機械の操作などの危険を伴う作業は行わない(※)
●この薬を使用している間は、避妊を行う。
●授乳は避ける。
●骨髄抑制があらわれることがあるので、血液検査で早期に発見できるが、だるい、発熱、血が止まりにくいなどの症状が出たときは、感染症にかかるおそれがあるので注意する。

※同じタキサン系の抗がん剤パクリタキセル(タキソール)はアルコールが含まれていますが、ドセタキセルはあまりないような印象です。

★ちなみに私の場合、説明やもらった冊子にはなかったので上記には載せていませんが、化学療法室のトイレの貼り紙に
「使用後は2回流してください」
とあったので、治療後1週間ほどはトイレ使用後、家族と同居しているのもあり、水を2回流していました。

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日付が古いですが、画像がデータに残っていたので貼っておきます。
上記では3日くらいのようです。
できる範囲でとのことなので、少し忘れてしまった程度で心配する必要はないと考えています。

★骨髄抑制、また肝機能や腎機能などの低下は、血液検査や尿検査などでチェックしていきます。化学療法が実施できるかどうかの基準値があり、それを満たさないと、治療の延期、中止などになる場合があります。

ドセタキセルの副作用について

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞に対しても影響を与えるため、何らかの副作用があらわれることがあります。

よく言われるのは
「毒をもって毒を制す」
という言葉です。

副作用は残念ながら、ない、ということはないと思います。
ただ、症状を抑えたり、軽減することはできます。
医学の進歩に感謝ですね。
痛いの大嫌い!😔な私でも、何とかここまでこらえることができています。
副作用はつらいですが、治療するうえで皆さんが見つめている先は、もっと別のものだと思います。
つらさにとらわれないよう、少しずつ乗り越えていきましょう。


主な副作用と発現時期の目安

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副作用は一気にあらわれる訳ではなく、
人それぞれ、どれが強く出るか、逆にあまり感じないなど
個人差はかなりあると思います。

自己判断したり、あまり無理に我慢したりせず、
起きた副作用は医師や看護師に報告、または相談することをおすすめします。

私の場合は病院からノートを渡されているので、体温や血圧、吐き気や痛み、起きたことなどを記入して、診察日や治療日などに医師や看護師に報告・相談しています。
文具好きなので、フォーマットやファイルはあまり気に入っていません。笑
というか持ち運ぶには大きいのですよね。
ノートや手帳にざっと書き留めておいて、要所をノートに書いて持っていく感じです。

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ちょっと見づらくてすみません。

ただ、これを診察前の待ち時間に、まずノートを見ながら看護師さんと経過を話す時間があります。当日の体温や血圧、体重もその時に報告します。
その後に診察という流れがもともと組み込まれているのでこれは助かります。
看護師さんとの会話で解決することも多く、医師に聞くべきことをしぼれますし、ノートに書いておけば、相談しづらいとか聞き忘れるなんてこともなくなります。
面倒でもきっちり書いておけば、その苦労は報われます。笑

もし、このようなノートなどがない場合は
各抗がん剤の冊子などが病院に置いてあったり
インターネットでダウンロードできたりするので、その後ろに上記のような記入欄が付いているものが多いです。
ページ数は少ないと思いますが。
ご自身でノートや手帳に記入しておいて、見ながら質問するとスムーズだと思います。

漠然と「気持ち悪い」「〇〇が痛い」だとうまく伝わらないことがあると思います。
「何日目くらいに、どの程度の吐き気、痛みがあった」
「この薬を飲んだけれども効かずに何日くらい続いた」
など、先に伝えられると、問答を何度も繰り返す必要もなくなります。
患者はただでさえ、体調がつらいなか通院しなければならないので
診察はなるべくコンパクトに抑えたいところです。
待つだけで疲れてしまいますしね。しかも待ち時間は自分ではどうしようもないですから。

ただ、この症状が出たら、すぐに病院に電話して指示を仰ぐなど
病院からの指示があると思いますので
その場合は診察日等を待たず、病院や医師に連絡してください。

以下は私が通う病院の場合です。

●38℃以上の発熱
●出血が止まらない
●点滴をしたところが、痛んだり、赤く腫れている
●嘔吐が続いて、水分が摂れない
●激しい下痢が続いている
●強い痛み(例えば胸痛、腹痛、腰痛)
●呼吸困難(息苦しい)
●急激な体重増加
●急激な体重減少

※現在はCOVID-19の流行があるので、38℃以上とは限定しない方が良いでしょう。

次に主な副作用について簡単にまとめます。


どのような副作用が起きるのか

○アレルギー反応
治療中あるいは治療直後にあらわれることが多いですが、
遅延性の場合もあります。
皮膚のかゆみ、蕁麻疹、声のかすれ、くしゃみ、喉のかゆみ、目や唇の周りの腫れの他、息苦しさ、動悸、ほてり、意識の混濁などが起こることがあります。
異常を感じたら、すぐに医師や看護師に相談しましょう。

○吐き気・嘔吐
治療翌日~約1週間ほど、吐き気があらわれることがあります。
これは症状も期間も個人差がかなりあると思いますが、
期間は早くて数日、長くて1週間強というところでしょうか。
アレルギーや吐き気止めを点滴したり、薬を服用したりして、軽減することができます。つらい場合は医師に相談しましょう。

私は、吐くまではなかったですが、ずっとムカムカしている感じで
治療を重ねるごとに期間がどんどん長くなっていきました。
処方薬ははじめ3日目まででしたが、もう2日分増やしていただきました。
別の種類の薬が効くこともあるので、医師との相談をおすすめします。

○食欲不振
吐き気や気分の悪さから、食欲不振が起こることがあります。
唾液の分泌が悪くなり、口内の違和感、味覚障害、便秘・下痢などから起こることもあります。
無理に食べようとせず、食べられるときに食べられるものを口にするようにします。
吐き気などで水分もまともに取れないなどの場合は、医師や看護師に相談しましょう。

○骨髄抑制
白血球(抵抗力の低下)、赤血球(貧血)、血小板(血が止まりにくい)などの症状で、1週間を過ぎたあたりから出てきます。
だいたいの抗がん剤が2週間くらいがピークですが
ドセタキセルは少し早く、9日目あたりから起こり始めます。
感染症にかかりやすくなっているため、いつも以上に注意が必要です。
この期間に発熱した場合は診察日を待たずに必ず病院に連絡しましょう。

○疲労感
疲労感、倦怠感は治療翌日くらいから出始めますが、ピークは骨髄抑制が起きている期間で、強い倦怠感はそれが原因だと思われます。

○浮腫(むくみ)
治療後1週間後くらいから出始めます。
ピークはあるのだと思いますが、1度出るとなかなか完全には引きません。
投与前の抗アレルギー薬の副作用の場合もあります。
ただ、肝機能や腎機能の低下など別の原因の場合もあるので、体重が変わるほどのむくみはすぐに報告した方が良いです。

○脱毛
脱毛は抗がん剤によりますが、ドセタキセルは必ず起きるといって良いです。医療用帽子やウィッグなどを準備しておきましょう。

○口内炎
口の中の違和感や、舌が真っ白になったり、口内炎ができやすくなります。
違和感は早めにあらわれますが、ぷつぷつとして口内炎などができるピークは1~2週間くらいです。
これも薬やうがい薬などの処方が可能です。
ひどくなると口の中や喉が痛んで食事が摂りづらくなるので、
口の中はこまめにケアするのをおススメします。

○手足のしびれ
手足がしびれると、指先に力が入らなかったり、歩くのがつらくなったりします。
対処する薬はありますが、一度しびれが出てしまうとなかなか消失しないことが多いです。
こまめな保湿を最初から心がけておくのがおススメです。
ドセタキセルはパクリタキセルより、発現は弱い傾向があります。

○筋肉・関節の痛み
治療翌日から出始めて、5日目くらいからピークがくる印象です。
鎮痛剤で対応できますが、どれが効くかは個人差があるので医師と相談していきます。

○味覚の変化
これも出方にかなり個人差があると思います。
味がわかりにくい、何でも苦く感じる、苦手な味が出てくる、など様々です。
私もその時々で変わり、地味につらい副作用です。
1週間くらいからがピークのようですが、私は治療翌日からまずくなってきます。その代わり回復は早いです。

○爪の異常
爪に黒い線が入ってきて、やがてボコボコになってきます。
もろくもなってくるので、割れやすかったり、剥がれやすくなったりします。指先も痛くなります。
爪が再生している頃に剥がれるのなら痛みはないので、
発現を遅らせるよう、早めのケアが大切です。

○下痢
腸のはたらきが鈍くなり、消化管での水分吸収がうまくいかずに下痢をすることがあります。アレルギー症状の場合もあります。
時期も個人差があります。
治療後はなるべく早く抗がん剤を体内から排出した方が良いのですが
症状が強く、1日中激しい症状が続いたり、数日間続く場合は病院に相談しましょう。
脱水症状が懸念されるので水分を摂るようにしてください。
つらくて水分が摂れない場合も病院に連絡しましょう。

○皮膚の異常
皮膚が乾燥したり、手足の皮膚が弱くなって、皮がめくれたり、赤く炎症を起こすことがあります。
そうなると痛みも伴うので、初めから保湿は怠らないことが大切です。
痛む場合は冷やすと良い場合があります。

○涙目
皮膚や口内もそうですが、粘膜が弱くなるので、涙目になりやすくなることがあります。回数を重ねてくると、だんだん出てくるような印象です。
それでも3週間後くらいには私の場合は軽くなっていました。
目薬や処置など対処法はあります。
予防としてはあまり目を酷使しないくらいしか思いつきません。


あとがき(リンク有)

少し長くなりましたが、抗がん剤ドセタキセルについて、なるべく簡単にまとめてみました。

後にそれぞれの副作用について、詳しく記事にしたいと思っています。

参考にした情報や、参考になるサイト等を以下に貼っておきます。

今はインターネットで検索すればすぐに情報を入手できますが
健康や医療の情報は信頼できるサイトで情報収集することをおすすめします。


【公的機関・ウェブサイト】

■国立がん研究センター がん対策情報センター
[がん情報サービス]
https://ganjoho.jp/public/index.html
■公益財団法人 日本対がん協会
[がん相談・サポート]
https://www.jcancer.jp/
■公益財団法人 公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構
[がん情報サイト]
https://www.fbri-kobe.org/


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花那
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