書籍「お金のむこうに人がいる」
久しぶりにお金の話。
元ゴールドマン・サックスの金利トレーダーだった田内学さんの著書
「お金のむこうにう人がいる」を読んだ。
とても興味深くて面白い。
お金というものの捉え方が変わる本だと思う。
たとえば、老後にお金が必要になるから、今のうちに貯めておこうとしても、その老後に働く人がいなければ、どれだけお金を握りしめていても意味がないという。
つまり、このまま少子高齢化が進んで働く人が減り続け、貯めたお金で生活する高齢者が増えていけば、モノやサービスの供給が少なくなっていき、いくらお金を持っていても手に入らなくなるということだ。
だから、将来に備えるために必要なのはお金ではなく、問題を解決することだと。
少子化対策を進めるか、働く人が少なくても生きていけるように、生産の効率化を進めることだと。
確かにその通りだと思う。
自分のことだけを考えていると、社会全体の問題が見えなくなるのだと思う。
金八先生ではないが、「人」という文字は、線と線が支え合ってできている。
みんなが働くということを通して、お互い同士支え合って、この社会は成り立っている。
それぞれが自分の財布の中だけを心配していて、自分のことだけを考えていたのでは、みんなが共倒れになってしまうということだ。
人は一人では生きていけない。
「お金さえあれば」と思っていると、その向こうにいる「人」が見えなくなってしまう。
商品やサービスの先には必ず人がいる。
必ず誰かが作ってくれたものを食べているし、誰かが作ってくれた家に住み、誰かが作ってくれた衣服を着ている。
逆に言うと、働くということは、誰かを幸せにすることでもある。
自分がしたことによって、他の人が笑顔になったり、喜んでくれたり、幸せを感じてくれることにこそ、働き甲斐というものはあるのだと思う。
自分が働いたことで、それが誰かの幸せの役に立つということが大切なのだ。
お金とはその結果として流れて来るものであって、あくまでも便利なツールでしかない。
本当に大事なのは、支え合いであり、分かち合いなのだ。