パイロットになりたかったのかもしれない
台風が来ているというのにここだけはほんとうに静かだ。ここは災害から守られている。災害にあいたくないひとは本気で香川に移住をおすすめする。
最近ファンタジー系のドラマをいくつかみていて思い出したけど、私はSFとかタイムトリップものが好きだ。この設定だとどんな話だろうと泣ける自信がある。
そして、映像作品を眺めながら、夢をみられるのは夢の中だけだなと思う。現実で実現不可能なことが願えるのは夢の中だけだ。「思い通りになったら奇跡」というのが現実で、夢の中ではどれだけ非現実的なことでも望めるし、望んで傷つけるひともいない。せめて夢の中くらいは幸せを願ってもいいじゃないか。程々にしておかないと、現実を手放すことになるから夢の中に逃げ込みすぎるのも考えものだけど。
現実をより幸せに、ハッピーを手に入れるためにさあどうする、というのがたいてい課題なのだけど、いまのところ手に入れたい現実がみあたらない。ということは今の私は程々に幸せだ。というか幸せなんだとおもう。これ以上に生きたいという気力が失せている。よりよく生きようとすることが欲望の原点だ。
どう考えても不可能なことを望むのは私の悪い癖なのかもしれない。すっぱいぶどう、手に入れられないものが欲しい。
そうじゃなくて、いま近くにあるものを大切にすることに切り替えられるといいのだけど、固執してしまう傾向がある。特に人は唯一無二の存在だから、特定の人に固執すると自分の望みが叶わない可能性が高い。
それに、てっぺんにあるものが欲しいと思ったら、自分で梯子をかけたり、階段をのぼったり、道を開いたりするものなのに、それを飛び越えてだれかのかけた梯子を登ろうとしていたのかもしれないとも思う。そんなずるい考えを嫌がっていたのに、どうしてだろう、最近は時間がないからと焦っていたのかもしれない。
遠回りをすることや時間をかけることは嫌いじゃないし、むしろそうしたい主義だった。だけど、現実は追いかけてくるし、囚われていた。
今大切にしたいとおもうものはもう決まっている。誰かを大切にすることを手放していたし、自分を大切にすることも手放していた。今つながっている人を手放すのも嫌だし、執着することも依存することも嫌だ。きっと手放すものを間違えていたのだ。こだわりとか過去とか大切だと思っていたものは今も大切だ。これまで出会ってきたことで切り捨てたいほど嫌なものには出会っていない。そう考えたら幸せに生きてきたと思う。
たいていにしてこういう考えに行き着くと、プリンセスプリンセスの「パイロットになりたくて」を思い出す。この歌詞がずっと忘れられない。
だから今日のテーマソングはこれ。