北野武「首」感想
3日前にインフルエンザにかかり39度の熱をだした。丸一日寝転んでいたら起き上がって動けるくらいまでは回復したのでよかったものの、今度は暇で暇で仕方なくなってしまったので試しにネットフリックスを開いてみた。
「首」はものすごくおもしろい映画だった。普段時代劇はほとんど見ないのでこの感想は少しおかしいが、少なくとも映画としてとてもおもしろかった。
個人的に、時代劇には堅苦しく地味で難しいイメージがあったためこれまで時代劇をあまり見てこなかった。時代劇に対する、戦国時代の雰囲気を想像させるような冷静な映像のトーン、将軍や家来たちの入り組んだ関係性、登場人物たちが話す方言が混じって何を言っているのかわからない言葉たち、そして全体的にあまり変わらないストーリーなどという間違った先入観が原因だったんだと思う。
とにかく、時代劇が苦手だった僕でも「首」はものすごくおもしろい映画だった。ほかの時代劇も見てみたいと思った。
また、ところどころで展開されるギャグがグロテスクなシーンを中和させていてあまり悪い気分にならず楽しく見れたのもよい。エンドロールで秀吉がビートたけしとクレジットされていて、もしかしたらこの映画の主軸は時代劇ではなくコメディなのかもとも思った。
なかでも印象に残っているのは百姓と武士の対比だ。(これは僕が普段時代劇を見ないせいだと思う)百姓はきったない肌にきったない布をきているのに対して武士はかっこいい。人口のほとんどが百姓のような生活だったと考えると、今って幸せなんだなと思った。あまり今の世界に不満を抱かずに生きていきたい。
この暇な時間がもっと続くといいと思った。
https://eiga.com/movie/99284/
北野武「首」