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macOSのWine環境MetaTraderで困ったこと

作成日:2025.01.09


はじめに

macOSのWine環境でMetaTraderを動かしていて、以下のように困ったことがありませんか?

  1. MetaTrader5で色変更ができない

  2. ウィンドウがドッキングしない

  3. MetaTraderがフリーズ

特に1.と2.の問題で困ることが多いかと思います。本記事は以下の記事で書き切れなかった内容の補足で、これらの問題の対処方法を紹介します。

1.MetaTrader5で色変更ができない

macOSのWine環境MetaTrader5ではカラー選択ができないことがあります。以下のようなケースです。

カラー設定

Windowsの場合、「カラー」の「Red」の部分をダブルクリックすると、右側にブルダウンボタンが表示され、プルダウンボタンをクリックするとカラーパレットが表示されます。ところがmacOSのWine環境MetaTrader 5では表示されません。

対処としては、「カラー」の「Red」の部分をダブルクリックの後、fn+F4キーを押します。但し、macOSの「システムの設定」→「キーボード」→「キーボードショートカット…」→「ファンクションキー」→「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」を有効にしている場合は、F4キーだけでOKです。(macOS Sonoma 14.7.2の場合)

カラーパレットが表示

すると、このようにカラーパレットが表示されるので色変更できます。

2.ウィンドウがドッキングしない

Wine環境でMetaTraderを利用していると、下図のようにナビゲータなどがウィンドウ化してしまい、ドッキングできなくなることがあります。

ウィンドウがドッキングしない

この場合、対処方法は2つあります。1つはウィンドウの配置を初期化する方法です。もう1つは手動でウィンドウを修復していく方法です。

まずは、ウィンドウの配置を初期化する方法を紹介します。尚、ツールバーのカスタマイズも初期化されます。チャートウィンドウは初期化されません。初期化されるのは、気配値表示、データウィンドウ、ナビゲータ、ツールボックス、ストラテジーテスター、ツールバーです。

  1. MetaTraderを終了します。

  2. 「terminal.ini」を削除します。

  3. MetaTraderを起動します。

2.の「terminal.ini」の場所は、MetaTraderのインストールフォルダの中のConfigフォルダの下にあります。

こちらの記事でmacOSでWineSkinを利用している場合、楽天MT4 ならイントールフォルダは以下になります。

/Users/ユーザー名/アプリケーション/Kegworks/MT4.app/Contents/ShareSupport/prefix/drive_c/Program Files (x86)/Rakuten MetaTrader 4

また、XMTradingのMT5なら以下のようになります。

/Users/ユーザー名/アプリケーション/Kegworks/MT5.app/Contents/ShareSupport/prefix/drive_c/Program Files/XMTrading MT5

尚、アプリケーション名の「MT4.app」や「MT5.app」は、自分で作成したWineskinラッパーアプリの名称です。

毎回、初期化してしまってもいいのですが、ちょっとだけなら再起動せずに戻したいのではないかと思います。次に、手動でウィンドウを修復していく方法を紹介します。

ドッキングできなくなったナビゲータのウィンドウの左端をドラッグして、メインウィンドウの左端まで持っていきます。

ウィンドウの左端をドラッグ

すると下図のようにウィンドウがびよーんと伸びます。

びよーんと伸びる

そこで左端のところをダブルクリックします。

左端のところをダブルクリック

するとドッキングします。戻ったらサイズなどを調整します。

ドッキング成功

もう一つのデータウィンドウも同じように左端をドラッグして、メインウィンドウの左端まで持っていきます。

ウィンドウの左端をドラッグ

下図のようにウィンドウがびよーんと伸びます。

びよーんと伸びる

そこで左端のところをダブルクリックします。

左端のところをダブルクリック

こちらもドッキングが成功します。好みの問題ですが、データウィンドウのドッキングを右端に変更します。

ドッキング成功

データウィンドウのウィンドウタイトル部分をドラッグして、一気に右端まで持っていって離します。

ウィンドウを一気に右端に移動

右端への移動も成功しました。

移動成功

以上、ウィンドウをドッキングさせる方法でした。

3.MetaTraderがフリーズ

WineSkinでMetaTraderを利用していると、たまにMetaTraderがフリーズすることがあります。こういう場合は、Wine関係のプロセスを強制終了するのが手っ取り早い方法です。

WineSkinのラッパーアプリ内に「Wineskin.app」という設定アプリが含まれています。ラッパーアプリについてはこちらを参考にしてください。

「Wineskin.app」設定アプリ

「Wineskin.app」を起動すると、ラッパーアプリの設定画面が表示されます。

「Advanced」ボタンクリック

「Advanced」ボタンをクリックすると、

コンフィグレーションの表示

コンフィグレーションの内容が表示されます。続けて「Tools」タブをクリックします。

ツールの表示

この画面で「winecfg」「regedit」の起動やWineプロセスの終了、ラッパーのアップデート、エンジンの変更ができます。

Wineプロセスの終了

Wineプロセスを終了させたいので「Kill Wine Processes」をクリックします。

継続確認

処理の続行を確認するダイアログが表示されます。「Yes」をクリックして続けてください。

終了処理中

終了処理に少し時間がかかります。ボタンがすべてアクティブに戻れば終了です。ウィンドウを閉じてWineskin.appを終了します。

以上でプロセスを強制終了できるはずですが、それでもフリーズを繰り返すようならmacOSを再起動してください。アクティビティモニタなどで該当プロセスを探して1つずつ強制終了させるよりも確実です。

最後に

Wine上でMetaTraderを使ってビルドやバックテストなどを繰り返していると、CPU使用率がかなり高くなって下がらなくなったりします。macOSを再起動すれば落ち着きますが、もう少し安定して欲しいものです。

これでは開発環境やスポット運用では使えますが、長時間運用の場合はWindows上で動かした方が安全です。

macOSでMetaTraderが使えるだけでも幸せで、文句を言ったら駄目なんでしょうけど⋯⋯⋯それでは、また。

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SORA PAPA
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