あなたがいれば、それだけで幸せだった。 今になってよく思い出すのは、あなたのえくぼ。 初めてあなたと出会ったのは、大学一年生の春。まだ学校の教室の場所をよく覚えていなくて、構内で迷子になっていた私に声をかけてくれたのがあなただった。 たまたま同じ講義を履修していたのも、今になって奇跡だと思うことがある。同じアニメが好きだったのも、同じバンドを推していたのも、同じユーチューバーを観ていたのも、全部奇跡だと思った。 だから、余計に苦しかった。 この街には、あまりに
ずっと簡単なことだった。 二人の男女が出会って、そして別れた。 ただそれだけのことだった。 たったそれだけの話だった。 ずっと簡単なことだった。 あれだけ喧嘩したのに、こんなに涙が出るなんて。 ほんとはずっと好きだったんだ。 それが汚い依存だったとしても。 ずっと簡単なことだった。 あの香水の香りがずっと忘れられなくて 君の腰を持ったときに、 君を抱いた時に香ったその名前は。 ずっと簡単なことだった。 幸せだった思い出だけを思い出してしまうんだ。 君と復縁するよりも、
最低で最悪な別れ方をしたね 君にあげたぬいぐるみを返して欲しい 僕のお気に入りだったんだ 街角で君を見つけたと思った 君の匂いだった あの匂いだったんだ 香水の名前は なんだったっけな 今になってさ 君と過ごした 楽しかった思い出だけが忘れられない 君も 僕の香りを思い出してくれたら なんてね 最低で最悪な僕らの仲は あと100回やり直したって変わらんないだろ 全部なかったことにしないでくれ 大阪駅のホームで君の香りがした 君の匂いだった あの匂
髪を切った。 ショートヘアが好きなあなたのために。 女の子にとって髪は命なんだよって、 言うつもりはないよ。 だってあなたのほうがずっと大切だったから。 これであなたが喜ぶなら それだけで嬉しかった。 あなたのわがまま タバコの匂い 吐き気のするキス 自分のために生きることは 独りよがりなんかでは ないはずはずだから。 髪を切った。 飽き性でないものねだりなあなたのために。 次はロングがイイだなんて言わないでよ。 喜んで伸ばしちゃうから。 だってあなたのほうがず
たばこは吸わないように 君が好きな飴玉を舐めた。 僕の狭い部屋の中で 息をするのも忘れるくらい 身体が混ざるような恋をした。 酒を呑ませた夜だけは、 君を僕のものにできた気がした。 笑って、笑って、笑って、 目を細めて笑う君の 笑って、笑って、笑って、 この好きから 忘れるまでが、恋愛だ。 こんな遅くにごめんね。 なんて思ってもいないくせに。 僕の汚い車の中で プレイリストが途切れるまで 朝日が昇ってもドライブしよう。 声が枯れるほど笑っていれば、 君のこ
「あと百回、君を抱いても。 心の距離は、これからずっと。 少しも変わらないんだから」
昔の女のことを忘れたくて、 君を抱いた。 それだけ。 ただ無性に、 ごめんな。 君の身体が好きだった。 君のくちびるも好きだった。 お互い欲を埋め合うように、 身体を重ねたんだよ。 でも、 それでもさ。 カラダがこれだけ近づいたからって 心が近づかなかったわけじゃ、 ないだろ。 そうだろ。 前の男のことを塗り替えたくて、 君にキスをした。 それだけ。 ただ無性に、 ごめんな。 君の性格がきらいでさ。 君の声もきらいでさ。 僕の心も知りもしないで、 遊んでたんだ
つめたいのは、 ひえたのは、 最後に楽しく笑えたのは。 今はもう。 ただおぼろげに時間だけが過ぎていく。 もっと笑えばそれは、 過去の吸い殻。 きっと戻れるって、 ただ時間だけが過ぎた。 なげやりな恋よりも 思いやった恋の方が、 本当はずっとずっと辛かった。 最後に可愛く思えたのは、 今はもう。 ただ煙草の本数だけが増えていく。 困った顔も盲目に、 もうどこにもない。 出会わなければよかった、 言わないでほしかった。 自分で選んだ服よりも 君が選ん