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シリーズ【ふせんをはりたい、ことばたち。】 #5 「応募する」 (『夢をかなえるゾウ』の“おみくじ”より)
(過去の記事はこちらです)
うちの寝室の壁には、小さなおみくじが貼ってありました。
おみくじ、と言っても神社でひいたものではなく、書店でもらったものです。
それは水野敬也さんの著書「夢をかなえるゾウ」の販促用のおみくじで、表にはひとこと、
「応募する」
と書いてありました。
何年か前に書店でもらってきて、夫が「良い言葉だから」と壁に貼りました。
(インテリアが趣味の私は正直「えーそれ貼っちゃう?」と思ったけれど、
ああ、これが共同生活というものか…と、あきらめました)
それから、そのおみくじの言葉「応募する」は、ことあるごとに私の頭の中に浮かんでくるようになりました。
何かにチャレンジするか迷ったとき、
「やっぱ私には難しいかも…」
と自信を失くしがちな私の背中を、おみくじに描かれた関西弁のガネーシャ(夢をかなえるゾウに出てくる神様)が、
「応募せぇへんと可能性はゼロやで!」
と、ポン、と軽く押してくれました。
「世の中に、どんだけぎょうさんの仕事がある思てんねん。
しかも、その才能を判断する人、どんだけおる思てんねん。
確かに、なかなか自分の才能は見出されんかもしれへん。
けどな、それでも可能性を感じるところにどんどん応募したらええねん。
そこでもし才能認められたら、人生なんてあっちゅう間に変わってまうで」
もちろん、応募しても応募しても全然うまくいかない、ということの方が多かったりします。(まさに私がそう)
けれど私自身、「応募した」ことで、人生が豊かになったり、普通なら出会えないような景色を見られたこともありました。
「応募」もしないのに、何かが転がり込んでくることはまずなさそうだし、もしそういうことがあったとしても、きっとその人は、「応募」に相当する何かを、普段からしていたのでは…と思います。
「やっぱり、“応募する”おみくじ、貼っといてくれて良かったなぁ」
そう実感したある日。
寝室に行くと、
「……あれ?いつの間にか、ない!!」
夫に聞いても「そういえばないね」とのこと。
探しても未だ、見つからず…。
てっきり壁に貼ったままだと思い込んでいたので、びっくりして笑ってしまいました。
結局、「応募する」おみくじは、私の心の中に貼られていたみたいです。