食の風景「秋を迎える朝ごはん」
茗荷の収穫を終え、名残の笹の葉が風に揺れてはさわさわと鳴り、椿と山茶花の木が黙然と立つわが家の庭に、今年もむかごができました。
本日の表紙はむかごとお漬物の小皿です。父曰く昨年ほど蔓を伸ばさなかったそうで、収穫量は期待できないとのこと。しかしながら秋の始まりを感じさせてくれる滋味深い食物です。小鍋でことこと火を入れて、お醤油で味付け。里芋とも違い、独特の香ばしさがあります。小粒でも味はしっかり、美味しい恵みです。
さる休日の朝ごはん。日頃ついつい気忙しく動き回ってしまう為、時には敢えて朝ごはんの準備に時間を使います。食器棚を眺めて好きな食器を選び、食べたいものをお皿に並べて、最後は目玉焼きをフライパンで作ります。
手の込んだ事はしていませんが、静かに秋を迎えるような素敵な朝ごはんがお膳に並びました。因みに果物は赤ぶどうと白ぶどう。親戚からの頂き物で、お家で作られたのだそうです。甘くて、とっても美味しいぶどうです。そこへキウイを仲間入りさせています。隣の四角い器はボイルサラダです。生ものが欲しくない時はサラダもボイルすると食べやすいです。大根・人参・キャベツ、トマト、それに刺身わかめを添えてぽん酢で。それでは
「いただきます」
こうして朝ごはんの時間を整える事で、ほんのひとときでも、ゆったりとした時間を過ごす事ができました。器が色々並ぶだけで、ちょっとお宿のご飯を頂く気分にもなります。お腹にも優しい、素敵な朝ごはんになりました。
「ごちそうさまでした」
文と料理と写真・いち
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