食の風景「前略、秋味」
野菜に果物、木の実に魚・・旬を迎える食材の豊富な秋真っ只中です。
「今日はどんな秋味にする?」
そんな相談が町のあちこちで交わされているような気のします。
今日のわが家は、まさに秋味いっぱいの食卓となりました。
さつま芋ごはん、さんまの塩焼き、大根とさつま芋の味噌汁です。
角切りにしたさつま芋をごろごろ入れて、お芋に味を付ける程度の塩をひと摘まみ。三合のお米と一緒に炊けば、あっという間に紅染まる鮮やかなさつま芋ご飯の出来上がりです。ほくほくです。柔らかな甘い香りが食欲をそそります。
それから秋刀魚です。今日は執筆に集中したいと語ったため家族がお店で既に焼き魚にされた秋刀魚を買ってきてくれました。急遽一品増えたので、大根を下ろしてすだちを添えます。焼き魚を食べるなら大根おろしは欠かせません。
家族の帰宅に合わせてお味噌汁を作ります。具材は大根おろしで剥いた皮とさつま芋の残り、それに大根とわかめです。これを合わせのお味噌で仕上げます。良いタイミングで家族が帰って参りました。さつま芋ご飯をまずは御供えして、各々の茶碗へ。上に黒胡麻をぱらっとかけます。汁椀にあつあつのお味噌汁を注いで完成です。それでは
「いただきます」
お味噌汁、ああ、染み渡りますね。さつま芋も色々な食べ方ができますが、この、味噌汁に入った、時間が経つと姿を消してしまうさつま芋が、結構好きです。
これはこれは、小ぶりでも、旨味の詰まった美味しい秋刀魚です。不漁が続き、しばらく秋刀魚をそっとしておいてあげたらどうだろう、なんて考えてみた今秋なのですが、目の前に出されたものは、余す事無く頂こうと思います。命ですから。無駄にしたくありません。
続いてさつま芋ご飯です。もう、毎度の事ですけれど、今日ももっちり炊けています。さつま芋のためかいつもよりよりもっちりです。香りから期待したとおり、ほくほく甘くて美味しいさつま芋です。あまりに美味しいのでお茶碗をアップで撮影しました。
今日は秋めくわが家の食卓からお届けしました。
「ごちそうさまでした」 草々
文と料理と写真・いち