衛星画像から山道の状態を見る
2022年7月にスタートした豊橋市とのコラボレーション企画の続編!
豊橋市で集めたアイデアの中で、サービスとして可能性のあるアイデアを実験的に検証していきます。
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本件に取り組む理由
日本には多くの山林が存在し、豊橋市にも地域に親しまれている吉祥山や石巻山が存在します。
しかし、山林は広大なため、人力で管理するのは大変です。そこで今回は衛星画像から山林を見て状態を監視してみます。
解析の流れ
私たち人間に一番わかりやすい衛星画像の活用は、光学画像を見ることでしょう。まずは山林を見てみて、特徴的なところがないかを確認します。
そのあと、その地点のNDVIとNDSIを確認してみます。NDVIとは植生の活性度を示す指標で-1から1の範囲を取り、数字が大きいほど植生が茂っていることを表します。NDSIは地表面の土壌の分布を示す指標ですが、今回は土壌と植生の違いが見られるかを試してみます。
NDVIとNDSIについては以下の宙畑の記事をご覧ください。
解析
今回はEO BrowserでSentinel-2の画像を見てみます。
Sentinelについては以下の宙畑の記事をご覧ください。
EO Browserの概要と使い方は、以下の宙畑の記事をご覧ください。
こちらが豊橋市の山間部の2024年2月11日の衛星画像です。
市街地は建物などが密集してモザイク柄、山間部は緑色になっていることがわかります。白く目立っているものは雲です
よく見てみると、山間部の中の赤丸で囲った矢印のところに三叉路(三つまたに分かれている道)のように緑が薄くなっているところが見られました。
地図と重ね合わせてみると、ちょうど三叉路のところは富士見岩という大きな岩があるポイントで、豊橋市・浜松市・湖西市の市境となっている所でした。
EO Browserより画質がいいGoogle Earthで見てみましょう。矢印の先が富士見岩で、赤枠で囲った箇所が衛星画像で見た三叉路の箇所です。登山道があり鉄塔も立っているようで、そのあたりは木々が少なく、衛星画像でも見えやすくなっています。
続いて、NDVIでも富士見岩周辺を見てみましょう。
EO BrowserでNDVIを透過度50%で表示させました。背景の地図はOpen street mapになります。赤枠あたりが登山道があるところで、青矢印の先が富士見岩の場所です。
ほとんど一面緑となっています。これは植物が旺盛に生えていることを示しています。NDVIでは登山道のところに緑が薄い個所がありますが、ほとんどわかりませんね。登山道以外の緑が薄いところは市街地か雲でした。
続いて、NDSIで富士見岩周辺を見てみましょう。
EO BrowserでNDSIを透過度80%で表示させました。背景の地図はOpen street mapになります。赤枠あたりが登山道があるところです。
矢印で示した所が登山道が続いているところになります。NDSIで見ると木々は黒くなっているのに対し、登山道は比較的白くなっていて、木のところと地表が出ているところでNDSIの値に違いがあることが分かりました。
まとめ
Sentinel-2の光学画像、NDVI、NDSIで登山道を見てみました。はっきりと分かるほどではないですが、NDSIを使えば光学画像やNDVIよりも登山道を見ることに向いていそうです。しかしNDSIを表示するのに使用したバンドの分解能は20mなので、十分ではないと思います。
Google Earthの光学画像では富士見岩付近の登山道を見ることができました。例えばASNARO-1では分解能1m以下、有償の光学衛星ではさらに高解像度の画像を取得することができます。今後も宇宙開発が進めば衛星から登山道をより高解像度で監視できる未来は近そうですね!
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