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キャッシュフローと流動比率
昨日、大手老舗メーカーの曙ブレーキ工業が私的整理の手続きを開始したという記事が新聞を賑わせました。北米事業が不振で財務体質が悪化したのが、主な要因とのことで、同社のみならず、下請け企業を含めて波紋を呼びそうです。
曙ブレーキ、金融支援要請を発表 北米事業不振で
曙ブレーキ工業グループ下請先は2782社
ところで、どういう時に会社は倒産に追い込まれるでしょうか?
例えばこんな企業。2018年3月当期利益7.1億ドル(およそ780億円)赤字、2017年12月6.7億ドル(およそ740億円)の赤字という企業は直ぐにでも潰れると思いませんか?
実はこの企業、イーロン・マスク率いる米国のテスラ社です。
実は、赤字が続く=直ぐに倒産というわけではありません。
手元に支払うお金がなくなった時、企業は倒産します。そのため、企業のキャッシュフローを見ることと、流動比率を見ることが重要になります。
キャッシュフローとは、純粋にキャッシュのインとアウトを見ることです。また、流動比率とは流動資産/流動負債で計算され、一年以内に現金化される資産と一年以内に支払わなければならない負債との比率を見ることで、経営の安全度を見ます。細かい事は今度解説するとして、要するにいつ負債の返済を迫られても、その場で払えれば経営的には問題ないわけです。テスラに関しても、将来的な成長が期待されていることから利益は出ていなくとも株価は上昇しており、支払い能力は維持されていることから経営が維持できています。下記、テスラの株価推移。
一方曙ブレーキは流動比率はおよそ0.7となっており、1年以内に支払わなければならない負債が一年以内に現金化できる資産を上回るという事態となっています。今回は、一部の銀行が負債の返済を迫ったため、私的整理に踏み込んだようです。
このように、「先ずは支払える余力を常に確保しておく」ということが会社経営には重要となります。