春の翳
春からは眠るヴァンパイアは眠る鳥空に眠り落下で起きる
睡魔の影みずにとかしゆく波の寄せる春はまず背にしのびあわだつ
Break Down
恋も花も美も陶酔もうばわれて「幸福」という語が読みとれぬ
日ごと夜ごと鳥たちは啼き猫は眠りそうして世界と私は溶ける
築く
タブラ・ラサ春のひかりが塗りこめる色遣いただ白を塗り重ね
淡くなる酒精の作用が私たちを淡くしている甘くこの鍋
棺桶で熟睡
みずからがなしていることを覚えずに乱脈な暮らし寝る前のバトル
専門家は危機の私らにお布令する不安の自由さえも奪おうと
猫背
退屈でいそがしい時間なくてひま終わりはどんな刺戟やすらぎ
肺をもち血管もありらいふよりボオドレエルをえらんでしまう
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