蜜歌
怠惰2
幽霊のうしろすがたをみなかった思えばそもそも幽霊に遭わず
あの青いあきつはおそらくしおからとよばれた青い化粧のあきつ
Chilling One Somewhere in the Air
熱のひく濡れた季節に目をあけるもう若くもなくリアルでもない
切り株を秋雨はよけずくわがたの幼年時代も木のなかでひかる
長月抄
三日月は虧けているから宇宙には月のかけらの散らばりまた寄る
玄関の扉をあけてとうとつにあいつがいるとき私の終わり
悲歌
明るさの産湯に似る月蟹座にありしあわせなのかこの世がアウェーか
つらいボクを生きつづけるより死ぬとよい月蟹男子カートを追って
幼年期の終わり
そらごととなぜ思えたかいにしえのアポカリュプスはいつもそこにある
人体をきずつけひとをあやめるに最適化されたツール売るヒト
また夏、また秋。
ひとという生きものの肉そのあつみおそい夏の陽にさらされるあつみ
としをとれぬままにとしよりになるひとはいかにも正しく死にえぬのだろう
蜜歌
ゆりのみつやわらかいつめぎんのおもいあまのがわのそのましたのあかるみ
どのみつをぬりつけてひかりためたまうちいさなわかぎきみのくちびる