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優しい治療
テキストのやがて真冬のマフラーの巻くように巻かれ人体を抱く
地をはってくろうたどりをさぐりくればぱっと照らせる火を知らなかった
「多様性があれば一様性もある、一様性があれば多様性もある」
グロテスクな生物としての一匹が着るものもなくひとなかであせる
harigami
政治とは憂さ晴らしとはべつのこと「いたずらにことを荒だてないで」
私はここへきた
よしもないふたつくいちがう世界観どこにも択ぶちからがなくて
場面変わり黄色の炎もえあがるせいたかあだちそうのいながれ
*
考えるたそがれのいろの変わりやすさもうまにあわぬ死の床の思い
(小声の祈禱
(接吻のもんしろちょうのかろやかに波打ち際へ帰ることもある
(死んだ秒を悼む体育館に寄せ学校関係者なら祈られる
スレショルド
まち消えて廃墟のくにのひろがるときあしもとの震動が嫌である
無援
負けた子の生まれ育てばどこまでも負けつづけることさだめはさだめる
私とは私を映さぬ鏡でありいない私を探す一生
優しい治療
優しさを濡らしたみずで染めぬいた飛行軌跡の遠く高い秋
それから、冬
玻璃のようにきらめくみずのふるときは地上の雪のいろ赤く染まる