料理を作って捨てる仕事
以前ホテルの厨房に勤めていた時は、そのホテルのバイキングの料理を担当していた。
ズラッと並んだ料理を、お客様が自由に皿に持っていく。
閉店時間が近づいてきても、無くなった料理の補充はしなければならない場合がある。
閉店後に残った料理は従業員のまかないになる場合もあったが、
いつからかホテル内での規定が変わり、
「バイキングの残った料理は全て廃棄」
される形になった。
毎日毎日営業時間が終われば、
まだ食べられる美味しい料理を大きいゴミ箱に叩き込む。
どれだけ残っていても、
どれだけ新鮮でも、
どれだけ作りたてでも。
毎日、この苦行の時間が嫌で嫌で。
自分が作った料理を、そのままゴミ箱に捨てる。
これが苦しくない人間なんていない。
「こんなことをするために、厨房での勤務を希望したんじゃない」
と毎日思っていた。
この経験を通して、私は
「バイキングで働くのはここで最後にしたい。今後何があっても、バイキングでだけは働きたくない」と強く思った。
高校時代、私の強迫性障害と切り離せない関係にあるのが、スケジュール帳だった。
思っていることを箇条書きでスケジュール帳に書き出す。
私はこの行為に全身全霊をかけていた。
全精力をもって、思いつく限りの事柄をスケジュール帳に書くと、頭が空っぽになったようなスッキリ感がある。
これに強迫性障害の症状が加わり、
「頭の中の事柄を全てスケジュール帳に書き出した状態でないと、正気を保てない」状態に陥った。
高校2年生の時である。
スケジュール帳は最初はサイズの小さなものだったが、
途中から現在にかけては「アクションプランナー」を使っている。
大きくて使いやすい。
「頭の中の事柄を全て書き出す」という用途上、
ある程度の大きさと余白が必要になるからだ。
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