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不安になる描写

映画や本とかの、不安にさせる描写って凄いものがあると思う。

作り手が実際に「いやだ」「こわい」って感じたことを、作品内で芸術に昇華している。

ハイクオリティなホラーを観た後は…まあしばらく、夜とか…一人でいるの怖くなりますが。

例えば、ドアの下の向こう側に覗く…椅子の足が、一瞬だけ人の足に見えた。

その時、わたし以外は誰もいないはずの家で。

なんだ椅子か…いやいや、ビビりすぎだろ私。

なんでホラー耐性ないのにホラー大好きなんだ〜!?!?

だって美しいから…。

ホラーの作り手も実際にこういう系の経験をして、それを作品にしてるんじゃないか。

つまり、名作ホラーの監督はホラー耐性がない!!!

大発見!!!

そんなわけないか…。

ホラーやスリラー系の描写は、観客や読者を安心させないための、やばすぎる創意工夫が凝らされているから…作ってる時、どんな気持ちなんだろう?

ホラー映画は割とみんなノリノリで、笑いながら作るとも聞く。

照明を工夫して、わざと表情に影をかける。

視線が合わない。

会話が噛み合わない。

語り手の価値観が偏り過ぎていて信用できない。

…こいつ、幻覚を見ている!

など。

本当はわかっていますよ…私はこういうテーマで、偉そうに人の作品を語れるほどの教養はない。

映画はともかく、スリラー小説の経験はあんまり…私は映画『回路』が好きで、正直、作品を理解するところまでは行ってない。

それでも、終末世界フェチに、黒沢清作品は刺さりすぎる!

人と人は分かり合えない!

自殺は止められない!

世界の滅亡は悲しいことじゃない!

だって最初から地獄じゃん!!!

とんでもない感性だと思いました。

穂村弘さんの本に最近触れてみて、いま読み始めたのが『鳥肌が』。

怖すぎる!

間違いなく私の読書経験でぶっちぎりの恐怖だ。

どういうものの考え方ですか!

「ねえ起きて」ほっぺを軽くはたかれて思えばあれが最初のビンタ

ゆに


甘い恋人同士のやり取りが歌われているが、「思えばあれが最初のビンタ」…このあと、彼の暴力がエスカレートしていったことを暗示している…鳥肌が。

別の解釈の仕方もあるじゃん!!!

怖いんだって!!!

甘噛みかもしれないじゃん。

ずっと甘いままかもしれないじゃん…と思いながら読んでいる。

【極上の、負の感情をお届けします】

そういうものづくりも、私は愛している。

絵日記もよろしくね♪

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