◉【おもてなしに学ぶ】(茶道家メモVol.1 あこがれ)#33
「おもてなし」は日本国内だけの言葉にとどまることなく、今や「Omotenashi」となり、「Sushi」「Tempura」「manga」と同様に世界共通語になっています。
わたしたち日本人が思っている以上に、日本は世界を魅了しています。日本を出て外から日本を見るとよくわかります。
どうして世界は日本に憧れを持っているのでしょうか。
「おもてなし」本来の意味には、単に礼儀正しく親切に人をもてなすというだけではなく、相手の見えない部分にまで配慮を施すと言った心遣いまでがふくまれているのです。
おもてなしの心遣いとは相手の気持ちを理解して施すということです。
相手の気持ちを理解する意識は行動へのキッカケですから、仕事、家庭、恋愛、友人とのコミュニケーションにおいて日常生活で人と人が存在する空間においては避けることができません。
おもてなしは、英語で「Hospitality」と訳されます。日本においては「茶道」「香道」「華道」という道から、精神性や創造性を学ぶことができます。
茶道では、お客様を迎える茶人の想いや考え、そして心地よい体験を演出する「おもてなし」は多くの学びの宝庫だと感じます。
茶人で有名な千利休は「茶室での身分は対等の立場」という教えを説いています。大名も町人も百姓も同じ客人として区別も差別もせずにお茶を囲みもてなすということをあらわし、今日まで継承されています。
時代が変われど、型だけではない実践的道徳観が茶道のおもてなしとなり、日本人の魂に引き継がれてきたと考えます。
茶人は相手の状況や気持ちを思い量りながら湯を沸かし、お互いが最も心地よいと感じられるよう配慮して、常に心にゆとりを持ち、相手のために万全を尽くしています。
人を憂うことが自らの為になるということわざがあります。
情けは人の為ならず
茶道の真髄を学び実践することは単にお茶をいただくことだけではなく、自らを振り返る時間となったり、心身ともに非日常の空間に身をおいたり、茶道の歴史やルーツに秘められている魅力を体現しているのではないかとも感じたりします。
お茶の世界観を紐解く茶道には自らを整えることにとどまることなく、同じ空間に同じ時を過ごす相手に対する配慮や相手に喜んでもらえるよう、茶人にとっても相手にとっても、一期一会の人格形成の旅路にある人間関係学だと思います。
おもてなしは心身ともに幸せになる為の人間関係学だと感じています。
あなたはどんなおもてなしをしていますか。
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