奥多摩の秘境 - 峰集落探索記
肌寒さに布団を上半身へ引き上げようとした時、時刻は既に7時だった。前日から準備していたバックパックに腕を通して、軽食に手を伸ばし、玄関を後にした。
6月というのに前日までは猛暑で、季節がせっかちに我々人間の背中を思い切り押しているような調子だったが、一転今日は雨で少し肌寒かった。腕をさすりながら辺りを見渡せば、紫陽花が見事に美しい。やはり雨の中の物憂いげな表情が映える。
いつもとは違う路線に乗り、少し少ない人の数に安堵している。いつも私が乗っている路線は大変な混雑で、それだ