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詩「箱」空みつえ

うれしいのは
いちじくの木が
わたしの背をこえたとき

たのしいのは
かぜと緑のおしゃべりを
ぬすみぎきするとき

よろこびを
探してかぞえては

ためこんでいるのよ
いま

わたしなりの形で

そうしていつの日か
その箱をひらくことのことを
考えるの

それだけで
これほどのよろこびは
ないわ

ほんとうよ

© 2020 Mitue Sora

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