「夢のまた夢」第5夜
こんな夢を見た。
そこは不死鳥が治める土地だった。
肌のやけに白いお兄さんはレンガ造りの建物へと入っていく。
私もお兄さんの後を追って中へ踏み入る。
扉は炎で囲われていたけれど、何故だかひんやりと冷たい。
建物の中は大きな画面と人ひとりが寝転がれそうなくらいのクッション。
緑色のかわいらしいバケツはキャラメルの香りがするポップコーンでいっぱいだ。
ピンク色のバケツにはシンプルなポップコーンが山のように盛られている。...塩味だろうか。
クッションに寝そべっているお兄さんに倣い、私もクッションの上に飛び込んでそのまま寝転がる。
すると猫の頭をしたバーテンダーが2人分のカクテルを置いて何事もなかったかのようにカウンターへ戻っていった。
グラスを磨きながら喉をゴロゴロ鳴らしている。
スミレのような淡い紫のカクテルを飲みながらポップコーンを摘んでいると画面に映像が流れ始めた。
驚くほどに髪の長いお姫さまが塔から脱出する話のようだ。
私は初めて休息を知った。
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