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編集長を名乗ったのは、悩める場所を、悩める仲間をつくるため。

自然体な生き方を考えるメディア『ソラミド』の編集部がお送りするnote。編集部員が考えたこと、感じていることを自由に書き記します。今回は編集長の安久都が担当。肩の力を抜いて、ゆるりとお読みください。

仕事でミスをしたり、余計な一言を口走ってしまったり。はたまた、ちょっと雨が降っていたり、気圧が下がっていたり。

きっかけは些細なことなのに、頭と心と身体がズンっと重くなってしまいます。柔らかなお布団にしか、僕の居場所はないんじゃないか。なんならお布団さえも、どこかよそよそしく感じる。

軽いときは、だいたい1日休めば、作業ができるくらいに回復するんですが、どうも僕の心はペコッと凹みやすいようです。

凹みやすい。それは、ときおり「脆い」とも評されます。

脆い:外力に対する抵抗力が乏しいさま

なんだか、ちょんって触っただけで、自分というものがポロポロと崩れていくようなイメージ。

崩れた欠片を寄せ集めては、また自分を組み立てる。でも、継ぎ接ぎだから、またすぐに崩れてしまう。

気が付いたら、縫い目だらけの心になっていました。

必死に、なんとか自らを保っていく。僕が過ごしているのは、そんな日々です。

だからこそ、だと思います。僕が『ソラミド』の編集長をしているのは。

それは、悩んでいる人の気持ちが分かる……ということではなくて。あなたの悩みはあなたのもの。僕が「分かる」なんて言うのは烏滸がましいし、救ってあげよう、なんてもってのほか。そんな力、僕にはありません。

僕は、人の悩みに対して、とても無力です。でも、無力だからこそ感じていたこともあって。

もっと悩める場所があったらいい、と思うんです。

「そんなこと悩んでばかりいないで」
「悩んでばっかりじゃよくないよ」

思春期に入って、そんな言葉をかけられ続けました。その度に、僕は脆いんだと思い続けました。実際、僕の心は脆い。縫い目ばかりです。

じゃあ、悩まない人生を送りたいのか。そう聞かれると、ブンブンと首を横に振る自分がいる。

僕が好きな本に、こんな一節があります。

このめちゃくちゃ美しい世界の中で、考えつづけるために、どうか、考えつづけましょう。
(永井玲衣『水中の哲学者たち』)

ここで言う「考えつづけるため」に、僕は悩みを抱えていたいんだと思います。

哲学者みたいに、日々考え続けるのは難しいかもしれないけど。悩みを糸口にして、考え続けることはできるんじゃないか。

そして、そんな営みは、生きやすさには繋がらなくとも、生きる糧にはなるんじゃないかなって。

僕は『ソラミド』を通して、悩んでいたいんだと思います。そして、その先で考えていたいんだと思います。

僕にとって『ソラミド』がそうだったように、編集部の仲間たち、読者さんたちにとっても、『ソラミド』が悩める場所になったらいいな。

いつの間にか、そんな想いが芽生えていました。それに気付いたから、『ソラミド』の編集長を名乗ることに決めたんです。

脆いからこそ、悩み続けていたい。そして、考え続けていたい。

みなさんと、人生を一緒に悩む仲間になれたら。こんなに嬉しいことはありません。

(執筆:安久都智史

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ソラミドmado編集部
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