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エッセイ「ハチミツは」 シロクマ文芸部
ハチミツは甘くてとろける幸せの味。
でも、甘い幸せの裏に毒も持ち合わせている。
「一歳未満の乳児には与えてはならない」
大人とは違い、ハチミツの毒を解毒できないためらしい。
逆に、大きくなると解毒できるっていうのが不思議だ。
小さな体で急成長することに驚きを隠せない。
思えば、小さい赤ちゃんの成長具合は半端ない。
人も動物も幼少期で急激に大きくなる。
成長、というワードの意味は深い。
…大人になった私は、成長できているかな。
成長というより、衰えてきた感じがする…
自分の成長に注目するようになったのは30歳を目前とした頃。
30歳という節目は人生で大きいと聞かされてきた。
身体的にも、能力的にも、いろいろとピークを迎えるらしい。
確かに、体力が落ちたし病気に負けやすくなった。
歳を重ねることに対し、マイナスなイメージが多い。
でも、社会人としての人生経験が増えたともいえる。
人としての成長、深い。
何かの記事で、日本人は年を取ることを嫌がる人が多い一方、
海外では「素敵なおばあちゃんになりたい」と
ポジティブな意見が多いと目にしたことがある。
1歳1歳、歳をとることを魅力に感じている、ということだ。
とっても素敵な考え方だ、と感動した。
子供の頃から「年を取ると嫌だわ」というようなフレーズをたくさん耳にしてきた分、
新しい考え方でビシッと光が射した感じがした。
歳を得ることを楽しみ、
「こんな一年にしたい」
「無理せず楽しんで生きよう」
そう思う大切さを知った。