車いすママの日常 4(痛いを信じてもらえること)
私の病気は骨形成不全症というもの。遺伝子の関係でカルシウムを骨にきちんと取り込めないそうです。症状は骨の変形、痛み、骨折しやすかったり、難聴や最近は心臓にも関係があるとかないとか。
私は骨の痛みが出やすいタイプのようです。常にどこかが痛くて、おそらく365日のうち全くどこも痛くない、という日は片手で収まるくらい。幼い頃、とにかく足が痛いのに病院に行くと骨折はしていない、ということが多くありました。でも痛いのは嘘ではなくて、その字の通り「のたうちまわる」くらいに痛いのです。痛くて痛くて泣き叫んでいました。でも医者からは「気のせい」「かまってほしいだけでしょう」「大げさ」などと冷たい言葉が出るばかり。これはひどくつらいものでした。湿布を貼ってとにかく痛みを堪えていると、翌日には嘘のように良くなっていることも多く、それでまた「気のせい」説が強くなっていくのです。でもこれは、マイクロフラクチャーというきちんとした症状でした。
マイクロフラクチャーとは、骨の中で見えないくらいの細かい亀裂が無数に入ること。レントゲンでは写らないものの、MRIだと写ることがあるそうです。息子もやはり原因不明の痛みに「のたうちまわる」ことが多くあり、幼い頃は夜中に痛くて泣き叫ぶという日が週に一度や二度ではありませんでした。
息子の時も整形外科の先生から「気のせい」「甘えたいだけ」と言われたことがあります。だけどこの痛さは嘘ではない。私も経験しているからこそ、わかりました。それ以前に私は、息子が言うことを一ミリも疑わない、全て信じる、と息子が生まれる前から決めているため、息子が痛いと言ったら全力でなんとかしようと考えます。湿布を貼ったり、さすったり。夜じゅうずっと痛がる箇所をさすって、朝まで起きていたこともあります。
これを骨形成不全症の専門医に相談したら「それはマイクロフラクチャーという骨形成不全症特有の症状です」と言われました。
ああ、よかった。嘘ではないと、かまってほしいわけではないと、わかってくれる人がいた。
そう思ったら不覚にも涙が出てきました。
私の幼い頃の痛みさえ、救われた気がしました。
この病気は骨の破壊も速い一方、再生も速いそうで、だから翌日にはケロッとしていることもあり得るのだそうです。だけどそこで無理をすると折れてしまう危険性があるから、痛いなら無理はしないで、とのこと。痛い間は湿布と痛み止め服用、弾性包帯での固定で乗り切りました。これをきちんと行うことでかなり痛みのコントロールができて、息子は現在中学生になりましたが、今では自分で「あ、痛みがきそう」と思うと自分で早めの対応ができるように。痛い、を認めてもらえること。信じてもらえること。これがどんなに支えになったか、あの時の先生には感謝ばかりです。
で、わたくし、今日は腰が痛いのです。
私の場合は骨の変形も強いため、体に負担がかかるんだそうで、だから骨だけではなくて筋肉やスジにも痛みが出やすいようです。こんなふうに痛い日は、とにかくおとなしくするしかない。できる家事だけをやって、あとは旦那を頼ることにしています。
結婚して今年で20年になる旦那は私の「痛い」に慣れすぎていて、私が「ああ腰が痛い」と言っていても「どうだい肩の調子は」というズレ具合。「こ し だ っ て ば💢」となることも多々。でもまぁ、どこかが痛いと分かっていて、それを心配してくれるだけありがたいか、と最近は思っています😊
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