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今日の作品②:僕たちはみんな大人になれなかった(映画)

雰囲気がレトロで90年代をうまく表した映画
常に世の中の普通を忌避する登場人物が存在し、いわゆる普通から遠ざかる姿がみえた。
過去には普通であることを美徳としていた主人公が彼女にであったことで、普通に対する嫌悪感を抱くことになる。それは、別れた後の姿で顕著に描かれており、その人の人格が過去に関わった人の影響を受けていることを表している。時間を共有することは、いわば人格を共有するのかもしれないなと、この視点はコンビニ人間にも似たところだ。

最終的には、いわゆる普通から遠ざかっているようで、実際は普通だった自分を俯瞰して認識している主人公の姿をみて、達観した(大人になった)なと…

(それは、普通の結婚をしている彼女にも共通する部分だ、そのため、題名が気にくわないなあと)

結局のところ、人間には色んな側面があり、社会に生きている以上、普通な側面を必ず持っている。その棲み分けを行わず、なんとなく普通のことにたいして嫌悪感を抱く、子どもを描いた作品だった。つまり、社会と自己の相互関係や自己の多様な側面を認識し、普通じゃない部分とキテる部分はどこなのかという自己理解・内省が不足している幼稚な人たちを描いた作品なのかなと感じた。ただ、最後の場面の自分の生きてきた人生を物語ととらえて、振り返ってるシーンは、いわゆるキャリアストーリーっぽくて、よかった。自分の人生を構築していく視点(社会構成主義)はここにも潜んでいた…

すごい皮肉った感想でした。

Ps.最近、視聴者に答えを投げ掛けてくる映画の見方がわかってきた。どおしても、作品を観るときは、監督とか脚本の意図を汲み取ってやろうという気持ちで観てしまうけど、そういう類いのものに関しては、自分が何を思ったかを純粋に感じとる、それを吐き出すっていうのが正しい気がするなあ、ある意味、それが脚本の意図だから

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