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【日記】犬の散歩の話
犬の散歩に行くとき、大体は同じ公園に行く。
最近は暗くなってから出ることが多かったのだけど、その日は明るいうちに行くことができた。
公園に行くと、見慣れない小学生が4人いた。
男の子ふたり、女の子ふたり。
その四人に絡まれている、同じく散歩中のわんこたち。こちらはよく会うわんこと飼い主さん達だった。
四人はしきりに犬かわいいーと、先にいたわんこたちを撫でくりまわしている。
うちの犬は、いつも見るわんこたちだけめがけて走っていく。見慣れない小学生たちがいるのには気が付いていない。
ここでアツいメンバーをご紹介。
少年A
ちょっとだけ大きな男の子。途中から「ドッジしようぜ」と言ってわんこには飽きていた様子。基本立っていたし。でもだれかが声を出すと、「えーっ」とか「そうなん」とか相槌や反応をしてくれていた。
少年B
文庫本をもって公園に来ていた猛者。しゅっとしていて斜に構えたかんじだった。あまり笑顔を見せない。遠くにいた、同じクラスのグループを強めに気にしていた様子。
少女C
犬かわいいと連呼していた。同じ公園の敷地内に、学校でそりが合わないグループがいたらしく、学校で不愉快なこともあると、その内部事情を教えてくれた。その空間の「かわいい~」はだいたいこの子から発せられていたと思う。
少女D
こちらにしゃべりかけるときはちょいちょい敬語をつかってくれる気の利くガール。途中で「散歩したほうがいいんじゃない?(解放してあげたほうがいいのでは?)」とこちらの様子をうかがってくれる気の利く子だった。
とにかく四人が喋る喋る。ずーっと誰かが声を発しているので、私が発声して届くのか・・・?と思いつつ、「豆柴はあだ名みたいなもので、種類的には豆柴も柴犬も同じなんだよ」などとよく聞く雑学を喋ってみると、意外とみんなへーっと聞いてくれる。人の話が聞けるいい子たち。
うちの犬ももれなくかわいいね、とずっとなでくり回されていた。
少年Bが、うちの犬のくるんとまるい尻尾をみて、
「カップケーキみたい」
と、言っていた。(偏見で申し訳ないのだけど)前述のとおり、少年Bは、少女らしさはとくに見受けられなかったので、突然のその発言にか、かわい~となってしまった。ほかの三人は、「カップケーキ?」「すげーそんな風にみたことなかった」といった様子でその表現に感嘆してわあ、と盛り上がっていた。なにそれへんな例え、と誰も言わなかった。それだけで、なんだか胸があったかくなってしまった。
気が付いたら、ほかのわんこたちは飼い主に連れられ退散していて、うちの犬とその四人だけになっていた。
その四人も、しばらくすると、じゃあねーとあっさり違う遊びをはじめだし、犬を解放してくれた。公園の端にあるブランコのほうに行って、また大騒ぎしだしている。
大きな声たちに囲まれて麻痺した耳のおかげで、やけに周りが静かになった気がした。
たまに知らない子供達に絡まれることはあるんだけど、今回はなんだか特別な時間だった。
おわり。