【企画作家ー唯緒シズサさんインタビュー】圧倒的なリリースペースでどんどんチャレンジできる、ソラジマ
ソラジマでは、Webtoon作品のクリエイターさんを大募集しています!
完全在宅の分業制なので、「ネームだけ」「線画だけ」「着彩だけ」といったピンポイントでのご参加も大歓迎です。ただWebtoon、分業制という特殊な環境なだけに、自分に合うかわからず応募を迷っている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、ソラジマのクリエイターに興味は持っているけれど踏み切れない・・・と悩んでいる方のために、ソラジマで企画作家として活躍されている唯緒シズサさんにお話を伺いました。
ソラジマへ応募、そのきっかけとは?
ー自己紹介お願いします!
漫画原作を主にしている唯緒シズサと申します。ソラジマ制作作品『妖精姫が復讐を決めたわけ』の企画・脚本を担当いたしました。
―物語を作り始めたのはいつ頃からでしたか?
私は両親が絵を描く人で、その影響で私自身も小さい頃からよく絵を描いていたんです。その頃は自分でマンガも描いたりしていました。それから小説やライトノベルなんかにハマっていって、ゲームも好きなのでゲームシナリオも書いたりして。同人誌のようなマンガ原作も書きつつ、大学を卒業したあたりからは本格的に小説を書き始めました。それからは、小説と映像のシナリオは合計すると15年くらい書いていますね。
―マンガ原作者として活動を始めるまでには、どういった経緯があったのでしょうか?
作家同士のトレーニングのような集まりがあって、そこで作った企画書がある時、出版社の編集長の目に留まったんです。それが縁になって、マンガ原作でのデビューと連載が決まって。デビュー後は1年ちょっとくらいで連載は終了になったんですが、それからはマンガ原作者として企画書を毎月たくさん作って、出版社に持ち込んで次の連載が決まって、という感じでした。
―Webtoonに興味を持ったきっかけを教えてください。
Webtoonに出会ったきっかけは、実は大きな怪我をしたことでした。私は25年ほどバドミントンをやっているんですが、足のアキレス腱を切って3ヶ月間、ベッドの上で寝たきりになってしまったことがあったんです。その間どう過ごそうか、となった時に出会ったのがWebtoonでした。本のマンガだと毎回取りに行かなければならず億劫だったんですが、Webtoonはスマホだけで完結できるので、ずっと読んでいましたね。
とはいっても、当時はまだ韓国の作品ばかりで、今のように華やかな作品もほとんどありませんでした。それでもオールカラーの新鮮さや、人気作の話の面白さもあって、ものすごくハマってしまって。しかもそれらの作品を韓国は1週間で配信している、というところに衝撃を受けましたね。
それからWebtoonの原作を書きたい、と思って書かせてもらえるところを探し始めました。ただ、当時はまだ日本にWebtoonが入ってきたばかりで、Webtoon企画を持ち込みできるところもほとんどなかったんです。ソラジマは数少ないWebtoonのクリエイター募集を行っていて、企画書のひな型がとてもやりやすかったこともあって応募することにしました。
作家としての意識と仕事への取り組み
―世界観や設定はどのように作り込んでいるのでしょうか?
私はストーリーにも世界観にも、けっこう知識を入れるタイプなんです。
なので、『妖精姫が復讐を決めたわけ』で物語の根幹に関わる妖精については最初の段階でかなり調べましたし、ネットの情報だけではなく専門書もかき集めて読み込みました。そこから題材を見つけて作品に落とし込んでいきましたね。
妖精が出てくる作品は世の中に数え切れないほどあって、ネットで調べるだけだと正しい知識にはたどり着けないんです。妖精にはかわいらしくて優しいイメージを持っている人もいると思いますが、本来の妖精はイタズラ好きで人を惑わせる存在という要素も持っています。それこそ、日本でいうなら妖怪に近いような存在なので。
Webtoonとの相性とはまた違った話になりますが、こういったモチーフの伝説・伝承の起源に基づいた話を作ったことで、コアな層にも評価していただけたのは嬉しいですね。
―物語を書くために、日常的に行っているトレーニングがあれば教えてください。
マンガに限らず、人気があるものや売れているもの、話題作はドラマ、映画でも大体観ています。舞台も毎月観に行っていますし、ある程度はルーティンになっていますね。
作品を観たり、読んだりする中でインプットをしたら、面白くないと感じたところはこうして欲しかった、自分ならこうするな、といったことを考えるんです。必ずしも自分の好きなジャンルでなくても、作品を観てここが良かった、ここがウケているんだな、ということは分析しておくと、作品づくりに役立ちます。
あと、朝ドラと大河ドラマは小さい頃からの習慣でずっと観ています。特に朝ドラは日本で一番長い尺で撮るドラマなので、長さのせいか途中でログラインがブレてしまう作品もよくあるんですよ。「なんか最初の頃と目標が変わったな」「こんな話だったっけ」と思うような展開を見ていると、反面教師として勉強になります。最近だとSNSですぐにツッコミが入るので、視聴者の反応を調べるのもすごく参考になりますね。
Webtoonの仕事について
―Webtoonの仕事で意識していることはありますか?
作品を作る時にはコンセプトや3行ストーリーなどで要約してから書き始めるんですが、その時点ですでに「面白そうだ」と思わせるような内容を意識しています。この段階で面白くなければどんな肉付けをしても中途半端に終わってしまうし、いくら構成を考えても膨らんでいかないんです。なので、骨子だけでも編集者さんを納得させられるくらいのクオリティを目指しています。
あと、Webtoonは横読みマンガと比べて1話ごとのページ数が少ないので、次の話を読んでもらうために1話ごとに強い「引き」や「魅せゴマ」を作ることも意識しています。
マンガは絵も満足感のうち大きな比重を占めるので、総合的な完成度を高めたいという想いから、完成形の絵まで含めて総合的に演出を考えることも大切だと考えていて。作画さんにイメージを膨らませてもらえるように、キャラクターはどういう気持ちで、ここで花を飛ばして色はこうで、といった指定を入れることもあります。華やかなシーンの演出や、かわいい主人公やイケメンのキャラがアップになって印象的なことを言っているシーン、カタルシスの解放の時などは特に細かく「こういう絵にして欲しい」と書き込んでいますね。
それに商業誌である以上はユーザー、読者のために作品を創ります。大事なのは「自分でお金を出して作品を見たいと思うか」で、1話ごとの課金額は大きなものでなくても、買って損をしたと思わせてしまうのは忍びないですから。毎回サービスカットやサービスシーンを入れて、読んでよかったと思ってもらえるような工夫は必要だと思っています。
―作品の制作中に、Webtoonならではの難しさを感じることはありますか?Webtoonって担当の編集者さん以外にも掲載先のサイト担当者さんなど、様々なところからたくさんのフィードバックをいただくんですよね。
ですが、それら全てを作品に組み込むと破綻してしまう。もちろん、自分の中で引っかかりがあった部分を指摘してもらえるとすごく助かるんですが、全ての意見に言いなりになってしまったら私の作品ではなくなるので駄目だと思うんです。Webtoonは週刊連載なので、フィードバックをいただく回数も多くてバランスを取るのには苦労しました。
ただ、第3者からアドバイスをいただけたのは、とても助かりましたね。感覚的に捉えてモヤモヤしてしまっていたところも、編集者さんに相談すると言語化して論理的に説明してもらえるんです。おかげで、自分の中で整理しきれていないところが明確になって、意見を参考にしつつも自分の中で新しい方向性を模索し、作品に活かしていく力が鍛えられました。
―ソラジマならではの良さ、長所はありますか?
編集者さんの対応の良さは、いつも感じていますね。ソラジマは編集者さんのレスポンスがめちゃくちゃ速いんです。他社の編集者さんと比べても格段に速くて、1日以内には必ずリアクションをもらえるので、スピーディに制作を進められてすごく助かっています。
あとはなんといっても、作品を公開するまでのスピードの速さですね。作品は書いて世に出すほど上手くなります。読者さんの生の声を受け取ったり、読者さんの目を意識して書くことで技術も伸びるし、反応をもらうことで足りないところが可視化され、ウケなかったところを次はこうしよう、と工夫し実践することで上達する。ですが他社さんだと1、2年くらいかけて作品を出すこともあるし、ネームが決まらずに企画がストップしてしまったりもするんです。
ソラジマでは速いと半年でリリースできて、高速でサイクルを回せるので、多くの機会をいただける環境は本当にありがたいです。私としてはこれまでに書きためた企画書をどんどん世に出してメディアミックスまで目指していきたいので、ソラジマのスピード感に期待しています。
Webtoon企画作家を目指す皆さんへ
―Webtoonの企画作家はどんな人に向いているでしょうか?
「自分の作品を創りたい」という想いがある人には、一度はやってみていただきたいですね。
私は専門学校で生徒を教える仕事もやっているんですが、シナリオを書きたいという学生さんを見ていると、小説かマンガかで二極化しているような感じなんです。どちらにも属さない、マンガ原作や企画作家についてはあまり意識していない人も多くて、結構もったいないと思います。
小説家で大成するのは非常に難しいことですし、仮にゲームが好きだからゲームシナリオを書こう、となっても完成したゲームは自分の作品にはなりません。反面、今はWebtoonの企画作家の数自体少ないので活躍できる可能性が高いですし、「自分の作品を」という人には私はおすすめしたいですね。
―Webtoonの企画作家を目指す上で、気をつけるべきことはありますか?
Webtoonの企画作家はチームで作品を創っていくことになるので、自分がチーム制作と合うかどうかは確認しておくべきです。だわりを持ち過ぎていると、いろいろな工程でつい口出しして企画が進むスピードを落としてしまいかねません。結果的に作品の質をかえって落としてしまったり、作品が完成しない可能性もあります。
逆に、他の人と一緒に創ることが面白い、楽しいと思えるなら向いていると思います。誰かと一緒に作業をすると、自分が考えていた魅力にプラスして、ネームや線画、着彩といったそれぞれの段階で新しい魅力がプラスされていくんです。仕上げやカラーで全然イメージが変わったものを見ると、自分1人で創ることができるレベルをはるかに超えたものができた、と嬉しくなります。その過程を楽しいと感じることができて、完成した作品の良さを歓迎できる人であれば、ぜひ企画作家になっていただきたいですね。
―ソラジマのクリエイターに興味がある方へ、メッセージをお願いします。気になったら、迷う前にまずはチャレンジして欲しいです。学生さんからは商業作家について、「売れ筋のものを書かないといけないのでは?」「編集者さんが欲しい作品になってしまうのでは?」という質問もよくされます。
でも、それはWebtoon作品に限らず、マンガも小説も全部一緒なんです。企業で作品を出す以上は、作品が売れないと経営が立ちゆかない。そこを度外視して自分が好きなものを創りたいなら、同人誌や自費出版でいいとなってしまいます。マーケットはどの媒体であっても絶対に意識しなければならないし、売れなければ続きを出すこともできません。
だから、私は「好き」の間口を広げて、好きといえるものを増やすことが大切だと考えています。世の中にある面白いものに積極的に触れて好きなものを増やし、そこへ自分の「好き」を載せていくんです。
例えば異世界転生なんかも流行りだといわれますが、原型はもともと日本にあふれていました。過去にタイムスリップするとか、異世界に連れて行かれるとか、そういう話は骨子としては同じで、作家さんたちが自分たちの「好き」を載せた結果、あれだけ大きなヒットになっているんですよ。なので、「好き」といえるものが多ければ多いほど、自分の「好き」を表現できるチャンスも広げられると思います。
チャンスを広げるという意味では自分からクリエイター募集に応募することも同じで、チャンスに出会う回数を増やすことで成功できる確率も上がるし、作品を出すことができれば様々なところからフィードバックがもらえます。逆に1つの作品に自分の全てを注ぎ込む、という姿勢でやっていると重くなってしまうし、なかなか先に続きません。
自分の作品を多くの人に見てもらうという部分と、マーケットへの意識を持って売れる作品を創るという部分の切り替えができると、商業作家として伸びると思います。ぜひ、軽いフットワークで挑んでみてください。
唯緒シズサさんが仰るように、Webtoonの企画作家には「自分だけの作品が創れる」という魅力があります。
しかも今まさに成長途上にあるWebtoon市場では、横読みマンガなどの業界と違って、クリエイターさんの数はまだまだ足りていません。だからこそ、名のあるクリエイターになって大ヒットを飛ばせるチャンスも無限に広がっています!
ソラジマは、そんな熱意と大きな夢を持っているクリエイターさんを応援します。クリエイターさんが200%の力を発揮できるような制作環境、同等以上のパワーで一緒に連載を突っ走る編集者を揃えて、応募をお待ちしています!
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