5

ひそかに500円玉貯金をしている。

はじめてから、ちょうど5年たった。

数えてみたら、5万円貯まっていた。


5、という数は、なんだか中途半端な気がする。

直線のようで曲線。曲線のようで角がある。

大きいようでいて、足りない。足りないようでいて、なんだか持て余す。

そんなイメージだ。


5。

気がついてみれば、今までの人生でそんなに縁のない数だった。

それがどうしてか、ここに来て目にとまる。

500円を5年間で5万円。

よくもまあ、こじつけたものだ。

なんだか少し、愛おしく思える気がする。



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