9

香水を買った。

9。

添えられた物語も、その香りも、深い大人の色をしていた。大人。

私は成人を迎えて久しいけれど、果たして心は大人ではないと思う。いつも背伸びしているだけの、小さな子ども。わがままな、幼くもろいもの。

人はどうやって大人になるのだろう。

いまだにその答えを見つけられないまま、私は明日もひとり背伸びをする。

9の香りとともに。

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