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『ビジュアル・シンカーの脳: 「絵」で考える人々の世界』

「視覚優位」「聴覚優位」と言うことをよく使うのですが、

この本では「視覚思考」の本です。

「思考タイプ」を「言語思考タイプ」と「視覚思考タイプ」の二つに分けていて、さらに、後者の「視覚思考タイプ」を「物体視覚思考」と「空間視覚思考」があるという。

もちろんそれぞれの脳はスペクトラムなので、遊びでみる血液型診断や星占いのように型にはめてはめるわけにはいきません。

その混合型は大いにあって、そのどちらかというとその傾向が強いかな?という風に考えた方が良いと思います。

うちの文字読みが苦手な中坊むすこと小学生のむすめはどう考えても「視覚思考タイプ」でその傾向が特に強いと言うことになるかと思います。

この本の中に「視覚空間型思考判定テスト」と言って18問の診断テストがついています。

これは視覚思考かどうか調べる脳画像検査が無いかわりに、リンダ・シルヴァーマンと言う方のグループが開発された「聴覚連続型」思考者(言語で考える人)と「視覚空間型」思考者(絵で考える人)を見分ける簡単なテストです。

「はい」「いいえ」で答えるだけです。

いちお、スペクトラムの目安として「はい」が10以上なら「視覚(空間)思考タイプ」の可能性が高いと記されています。

むすことやってみました。

むすこ:「はい」の数12個

ぼく(父):「はい」の数14個!

むすこより「はい」の数多し!! え〜、そうなんだ。

いずれにしても、親子共々「はい」が10こ以上です。

だから、本はゆっくり読みたい(遅い)し、学生の頃から机は資料山積みで勝手に片付けられると困る。

だからと言ってどこに挟まっているか忘れることはあまりない。

逆に、ファイリングやラベリングも良いとは思いますが、やる気になれない。

でも、それで困ったことはない。

逆に、仕舞い込むとどこいったかわからなくなるし、むすこの保育園の資料とかもこの間たくさん出てくる。

Youtubeでデスクツアーとか言うのをやっている人がいるけど、なんであんなにデスクが片付いているのか?仕事はどうしているのか?不思議に感じる。


この本を読んで、今世の中の中心にいるのは「言語思考タイプ」と言うのがあらためてわかった。

それは現代の成績を決める方法が知識を問うペーパーテストで行われ、点数によって人間を平均化しその中で優劣をつけるのが手っ取り早いからと言うことになります。

「視覚思考」に優劣をつけるテストもあったら、きっと世の中がひっくりかえることになるでしょう。

でも「視覚思考」の人と「言語思考」の人がプロジェクトを組んで仕事をしていると、あらゆる危機が回避できたのではないか?

その事例として福島第一原発の事故例などで提案されていてとても興味深かったです。

そんな「視覚思考」の人の目も活用できていればという、例を提示されているものを読んでいると、スペクトラムの微妙な間で義務教育を苦労しているむすこがいる親としてはとても勇気が出てくる本でありました。

また、「視覚思考」だからと言って「絵が抜群に上手」「ギフテッドじゃねー」なんて、固定観念を持ってもいけない。

確かに、抜群に絵が上手いという人もいるでしょうが、あくまで「ビジュアル思考」ということになりますね。

(この本はギフテッドの事は一才書かれていません。)



しかし、この筆者はすごい。

本人が自閉症スペクトラムで「視覚思考」であると言っているにも関わらず、こんな文字だらけの本が書けるなんてすごいことだと思います。

筆者の事例でも、大人になって知識が増えて、それを経験によって整理できてきてここまでできるの事もあるんですね。

学習というのは、勉強することだけではないですね。

こどもの頃から自分の興味をいっぱい見て聞いて試して、頭に溜め込んで失敗しながら大人になっていく、ぼくはその成長の手助けをして、大人への道を狭めないようにやっていこうと思います。

学習・発達障害、診断無くても苦労して頑張っている。そんな子が身近にいる方々にはおすすめの本です。


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