君は香港版おっさんずラブを観たか?
あの、これですね…。
すごいです。
リメイク作品とか、そんな言葉では全く語れないです。
写真だけでも、あんまり伝わってこないです。
とりあえずまだ観ていない人は、今すぐ観てください。
…というだけでは終了してしまうので(汗)
今回は、待って待ってようやくCSで見られた香港版おっさんずラブのすごさを、元(現?)OL民がネタバレしない範囲内で語らせていただきたいと思います。
正直、この香港版の話を聞いた時、私は
「そこまでやるか…もういいじゃん。あのままで終わらせてあげようよ」
と思った。
大切に思ってる作品が、なんかこれ以上「商品」扱いされるのがイヤだった。
しかも舞台は日本じゃないんだから、似たようにすら作れるとも思えない。
きっと絶対に面白おかしくパロディにされて、悲しくなるだけじゃん…
そう思ってしまったのだ。
香港の方たち、ごめんなさい。
まさか、こんなに原作愛に満ち溢れた作品に育てて、里帰りさせてくれるなんて。
全く、想像もしていませんでした。
本当にごめんなさい。
本作の何がすごいって、日本版に寄せる部分はかなり寄せつつも、きっちりと香港流を貫いている部分もあって、それを集めた全てが信じられないくらいに自然なところ。
細かい部分はぜひご自分の目で見て確かめていただきたいのだけど、例えば、
春田や牧君の歩くときのクセとか。
部長が告白するときの背後の灯りとか。
みんながお弁当を食べる場所とか。
一つ一つのエピソードは場所や服装も含めてかなり原作に寄せてきている。
こういうのって、実は中途半端に似てるとむしろイライラしてしまうものだけど、この作品には無理やりやってる感はない。
だから観ながらすごく不思議な気持ちになってしまう。
こうじゃなかった世界線を確かに知ってるはずなのに、もしかしてこの世界線もあったんだっけ…?って思ってしまいそう。
かたや、香港版オリジナルの設定も確かに存在する。
例えば、春田のもともとの同居家族は日本版では母だけど、香港版では姉。
最初は「なぜ姉?」って思ったけど、話が進むにつれ、これが姉である必然性がいろいろと分かってくる。
もう他にもいろいろと書きたくて仕方ないけど、たぶんどれもネタバレになっちゃいそうで怖くて書けない。
でもその香港版オリジナルのどれもが必然性がある設定変更や追加エピソードで、毎回「そう来たか~!」って感動するし、思わず涙してしまう。
キャラクターの性格把握もかなり正確なので、
まさにあの春田なら、牧君なら、部長なら、絶対やるよね!
というエピソードで満ち溢れている。
観ていて一つも「これじゃない」感がなかった。
どのシーンも皆、ああそうだ、これだこれ…!って思ってしまった。
もうとにかく面白くて楽しくて、笑いと嬉し涙が止まらなくて。
結末を知ってるのに、もう一挙放送の途中では全く止められず、後半は6時間以上ぶっ続けで観てしまう程、本当に「よくできた」作品だった。
香港の方たちがどれだけこの作品を愛して、大事に思ってくれていたか。
本作を観るとよくわかる。
おそらく香港の製作スタッフさんたちは日本人以上に、このおっさんずラブを「いい加減に」「自分たちに都合よく」改変することは絶対にしてはならない!と強く心に誓いながら作ってくださったのだろう。
ちなみに本作では、所々に日本語が使われている。
これがまた、適切な場所と使い方なのだ。
おそらく、日本に「里帰り」させることも見越して作ってくれたのだろうな。(だからこそいい加減なことはできないと思ったのだろう)
また、香港版の秀逸なところは、日本版では描かれなかった(描き切れなかった)細かな心情描写もきちんと描いてくれている。
それがまたとても説得力があって、ものすごく共感できるのだ。
牧くんが春田を好きになり、そして別れを決意する理由。
部長が春田を手放す覚悟をするまでの心の動き。
春田が少しずつ成長していく過程。
もう挙げていけばきりがない。
さらには毎話、春田や牧君を演じた俳優さんのファン向けのサービスカットが入っているのだけど、これホントにうらやましい!!って思うOL民は沢山いるはず。
微笑ましくて、でもストーリーにもちゃんとつながってて、こんなふうに作れるって本当にすごいなぁ!と心から感心してしまう。
ちなみに半OL民(もともとドラマ版おっさんずラブを見たがってて、実際にドラマも映画もインザスカイも観た)
の夫も一緒に観ていたけど、本作の原作再現度と完成度の高さにひたすらカンゲキしつづけて、めったにしない感想ツイートまでしたらしい。
先日もその話をしていて、二人で「これはホントにすごいよね!」と久々に超大盛り上がりしてしまったし、日本版が好きな人は絶対に観ておくべきだ!って私に向かって力説していたので、私のひいき目だけではないのだと思う。
香港版、ディスク化してくれないかなぁ。
観終わってなんか切実にそう思ってしまった。
この世界も、大事に手元においておきたい。日本版と同じように。
ディスク化してくれればレンタルもできて、見られる人もグッと増えるんだけどなぁ。
現在のところ本作は有料配信のテラサでしか見られないし、今後はおそらくテレ朝チャンネルでも一話ずつ放映してくれるのではないかと期待しているけど、それも有料になっちゃうし…
なのでなかなか見るきっかけがないかもしれないけど。
無理にとは言わない。
ただ、元OL民でこの世界が本当に好きだった人が、先入観に惑わされてこれを見ないのは本当に本当にもったいない。
だからもし、なにの機会があったら。
原作のイメージが壊されたらいやだな…って心配は完全に無用なので、ぜひ一度、この香港版の世界を体験していただきたいと心から思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?