TVドラマ「unknown」
おっさんずラブというドラマを愛し、自らをOL民と称していた時期から気づけば5年。
その製作チームが全く違う題材で作り上げた本作品のレビュー…というか個人的感情を爆発させた感想文です。
ちなみにこの中で書かれている「チーム」とは、おっさんずラブ製作チーム(貴島プロデューサー、瑠東東一郎監督を始めとする製作スタッフの皆さんとキャストの田中圭くん・吉田鋼太郎さん)を指しています。
第1話
正直、始まる前はずっと不安だった。
劇場版も含め4作品観てきて、このチームの事は信じてる。
でも、
吸血鬼?(はまだいいとして)
凄惨な殺人事件って、何?
違う作品・時間帯とはいえ、
なぜあのチームでわざわざそんな世界を作らなきゃいけないの…?
う〜ん、ちゃんと成立してるんだろうか。
何よりあの頃より余分な知識がついてしまった(ピュアじゃなくなった)私自身が、
ちゃんとついていくことができるんだろうか。
怖くて不安で仕方なくて、もうホントに祈るような気持ちで
恐る恐るチャンネルを合わせた。
そしたら開始早々、オープニングからして震えてしまった。
なんだこの格好良さは…😳!
瑠東監督の画づくりは非常にシャープで色鮮やかなのが特徴の一つだと思うのだけど、
このオープニングはそれがより一層ブラッシュアップされた感が半端じゃない。
しかもそこからさりげなくつながるタイトル。
おっさんずラブの時とは全く違う手法に大興奮!
と同時に
「やっぱり瑠東監督らしからぬ感じになっちゃってるのかな…」
という一抹の不安を感じた次の瞬間、
そこに映し出される映像は紛れもなく自分が良く知る瑠東監督ワールドで、
ものすごくホッとする。
もうここだけで応援上映ばりに
「待ってました~!」
という合いの手を入れたくなって困ってしまった😁
それにしても高畑充希ちゃんのこころ、ホントに良いな〜。
正直、もっとキャラを作ってくるのかも…?と思っていたけど、
本当に「ごく普通の女性」としてそこに存在していて、
そのナチュラルなたたずまいに思わず
「おお😲!こうきたか」となる。
おそらくいろんなことを考慮した上での答えが、
この「こころ」だったんだろうな。
つまり、ここは「こういう世界」なんだな…
うん。
どんなに非現実的な設定でも、こういう人が中心になってる世界なら大丈夫だ!
ちゃんとついていける。
不安がどんどん消えていく。
どころか、期待で胸が高まっていく。
そして…桜🌸のシーン。
河野さんの暖かなメロディーとともに警官姿で歩いてくる圭くんを見た瞬間、
もうそれだけでちょっと泣きそうになる。
作りこんだ人物ではなく、ごく普通でお人よしの「町のお巡りさん」虎松。
名前も世界線も違うけど、また「この人」に会えたんだ…と思うと
嬉しくて懐かしくてたまらない。
二人が出会うマンションでのシーンでのやりとりは、
分かる人には分かる(というか皆様ご存じの)
小ネタ満載でニヤニヤしちゃう。
まぁ正直、虎がこころのマンションにやってくる理由は、
かなり強引ではあるけどね😅
でも、おっさんずラブも出会い自体はご都合主義な感じ(失礼)だったけど、
ドラマで大事なのは
「どう出会うか」ではなく「どう関係性を育むか」だと私は思っているので
(今はそこが描けてないドラマが多すぎる)
とりあえずそこは置いとくことにする。
それにしても、高すぎず低すぎないテンションといい、
虎とやりとりする際の巻き込まれ感といい、
高畑充希ちゃんのこころがあまりにも自然に
このチームの世界線になじんでいて観れば観る程感心してしまう。
もしかしたら雰囲気を壊さないように、かなり研究したのかなぁ…?
それとも天性の才能?
いや~、どっちにしても素晴らしい!
まぁこころが虎に魅かれるシーンは、
前のシーンであそこまで拒否してたわりには
そんなにあっさり?って思ったりもするけど
そこはほら、圭くんのお芝居が、
窮地でこの人にこんなふうに助けてもらったら、
そりゃもう一瞬で好きになっちゃうのはしょうがないよねぇ…😍
という説得力を持たせて、きっちり成立させているので。
ここは、
よっ、最高👏!さすが我らの田中圭😆!!
としか言えないですね~。
そして、そこからの二人の幸せな日々。
正直、どの作品においても、
ラブシーン含めたいちゃいちゃシーンはあまり好きじゃない私だけど、
このチームの世界線のカップルだけは別。
いつだって、どんな組み合わせだって、
なんだかすごく微笑ましいし、愛おしく見えてしまう。
こんなひねくれてる私でさえ素直に、
幸せそうだな~良かったな~って思えるのが本当に不思議だし、
そう思わせてくれてありがとうって気持ちになれるから嬉しい。
さて、変わってこころの実家。
映像だけでなく、河野さんのミステリアスな音楽も相まって
一気に雰囲気が変わる。
けど、ここにもわかる人には分かる小ネタがいろいろ仕込まれていてちょっとニヤニヤしちゃうし、
鋼太郎さん…いやいや、こころパパが登場するシーンに至っては
あまりに面白い。
もう鋼太郎さんの吸血鬼姿、妙な説得力がありすぎて。
お屋敷内のみならず、こころの家にまであの格好で登場してきたときは
あまりに面白すぎて絶句してしまった🤣
でも、いろんな意味で絶対にありえないと思ってたこころパパなのに、
部長同様、父性愛に溢れ、こころに愛情を注ぎまくる姿を見ていると、
だんだん違和感が無くなってくるから
「普通の何がそんなに偉いんだよ?」と問いかけられても
まぁそうだよね…って素直に納得できてしまう。
この時代に、おそらく時代遅れと言われてしまう吸血鬼姿を大切にするパパがだんだん格好良く見えてしまうんだから、これも本当に不思議。
そしてなにより、その鋼太郎さんと対等に渡り合ってる
充希ちゃんのパワーが凄すぎる…!
そして、こころのママは想像以上にチャーミング。
ママとしてはちょっと若すぎんか?と一瞬思いつつも、
ああそうか。
吸血鬼って永遠に若くて美しいんだ…って妙に納得してしまうのは、
やはり舞台であらゆる年齢を演じられている、
麻生久美子さんの美しさと可愛らしさならではだろうなぁと思う。
さて、クライマックスの火事のシーン。
すごくシリアスでひやひやしてしまう反面、劇場版のオマージュなんだろうなと感じられて、ちょっと嬉しくなってしまった自分がいる。
しかも助けに入るこころの頼もしい事!
愛する人を助けるためならもうどう思われてもいい、
という決意がしっかりと感じ取れてものすごくかっこいい。
そう。
このチームの作品に登場する女性陣はいつだって頼もしくて凛々しくて
みんな男前。
なのに可愛い部分が沢山あるんだよね。
だから同性として思わず共感してしまうし、嫌な気持ちにならない。
そういうところもすごく好き。
それにしても、
この音楽。
映像描写。
圭くんの姿。
新作のはずなのに、なにもかもがホントに懐かしい😭
良い意味で既視感しかない。
ドラマ中盤での、うめばあとのシーン、
食事を作り、憎まれ口をたたいている虎の姿を観た時、
なんだか涙が出てきて止まらなくなってしまった。
春田じゃないけど、それは分かってるけど、でもこの感じ。
ああ、私は本当にこの世界で生きるこの人に会いたかった…。
これは完全に個人の感想だけど
(そしてそう思うタナカーさんはたくさんいると信じてるけど)
田中圭という俳優さんは、主演として自分が前に出なくちゃいけないときよりも、
相手の感情を拾おうと真剣になっている時が一番魅力的だと思う。
たとえばにんにくを食べて苦しそうにしてるこころの表情から
気持ちを読み取ろうとしている姿。
最後の無音状態でこころにプロポーズするシーン。
なにげないシーンの中で、目線やたたずまいだけで、
相手に対する想いを感じさせることができるのは、
まぎれもなく俳優・田中圭の最大の魅力の一つだと思う。
このチームの作品では、その魅力がいかんなく発揮されるので、
観ていて嬉しくて仕方ないんですよね、本当に!
あとこの作品の出演者の方たちは、
バイプレイヤー…というか舞台を主戦場にしてる方ばかりなので、
(ホントによくぞここまで集めたなぁという感じ)
とにかくどの方のお芝居も個性的で、何が出てくるか分からない部分があるんだけど、
でも圭くんがそれをすごく楽しんでいるのが分かるから、
観ている側もホントに楽しい。
このあたりもおっさんずラブの時と同じだな~😄
でも、この懐かしさが嬉しいからこそ、
この後今までは体験したことがない「惨劇」が起きるらしいのが
切ないし怖い。
まぁこのチームの事だからただの残酷な話にはしないと信じてるけど、
そうは分かっていても辛い。
このまま平和な世界で生きる、
吸血鬼と普通に生きる人々のラブコメでいいじゃないか…😥
と思ってしまう。
ただ、この世界観を守りつつ、
ラブサスペンスとして成立させることができたなら。
このチームはより一層飛躍するのかもしれない。
だからそのチャレンジを心から応援したいとも思う。
なんにせよ、もう不安は完全になくなった。
犯人やストーリーの考察が苦手な私でも、
また違った視点から楽しめるこのチームの作品はやっぱりすごく楽しい。
新作で戻ってきてくれて、本当にありがとう。
あと3か月間、あの頃と同じように、
じっくりと世界観を楽しませていただきます😊
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