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おっさんずラブin the sky・なぜ今更泣けてしまうのか

https://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove-inthesky/

sumikaの「願い」を聴くたびに。
ドラマを見返すたびに。
おっさんずラブの着地点はin the sky しかなかった、これで良かったんだ、と思う。

でもそう思えば思う程、いろんな思いがこみ上げてきて、どうしても涙無しでは聴けないし観られない。
そろそろ終わって半年近く経つのに。

DVDより一足早く届いたシナリオブックを読み、ドラマとシナリオを見比べていろいろ考えていたこと。

やっぱりこれは、シノさんと成瀬くんの物語だった。春田と黒澤部長…じゃなくてキャプテンは、物語の主役というよりは、この物語を動かすために存在してる人たちだ。

もちろん、この二人の人物像の大筋を作り出したのは、脚本の徳尾さんなんだけど、あの春田とキャプテンのあり方は、田中圭と吉田鋼太郎という俳優さん達からのメッセージであり、リレーのバトンでもあったような気がしてならない。

作り手の方たちは、自分達の手から離して、後からくる人達に託したかったんじゃないだろうか。このテーマと、おっさんずチームの無限の可能性を。

春田から成瀬くんにキスすることで描き出したのは、春田の心情というより、一度は自分からキスした春田さえもう受け付けられない(くらいにシノさんが好きになってしまった)という成瀬くんの心の動きだと思うし。

キャプテンの気持ちを春田に向かわせたのは、彼の情と懐の深さを見せて、シノさんと成瀬くんの背中を押す役目を担ってもらうためだし、なにより「部長」の想いを昇華させて、春田創一と黒澤武蔵の話を、ちゃんと終わらせるためだったと思う。

きっとみんな、春田と牧くんの世界というある種狭い場所から、この物語を解き放ちたかったんじゃないかな。

わかってる。
そうしなくちゃいけない事は、私達が誰より分かってる。
でもだからこそ、みんな抵抗した。
あの世界を、大事に閉じ込めておきたかった。
この手から離したくなかった。

私だって、本当は、そうだ…。

でも、これがこの作品世界の新しい旅立ちになるのなら。
作り手やキャストの方たちの新たな一歩になるのなら。
喜んで送り出してあげなきゃ。

私達は、そんな悲壮ともいえる覚悟を持ちながら、このドラマを制作発表からずっと見つめていたんだと思う。

みんな、あの世界を愛してるからこそ、ちゃんと終わらせる事を選んだ。
作り手も視聴者も、関わった人たちみんなが、チームとしてできることを頑張った。
そして無事に、春田とキャプテンの想いは昇華されて、ちゃんと新しい世界に送り出すことができた。

たとえその世界が、私達にはもう手が届かない場所だとしても、彼らが幸せなら、それでいい。
寂しいけど、切ないけど、もうきっと会えないだろうけど…。

そんな気持ちが溢れてきて止められないから、このドラマを観ると泣いてしまうのかもしれないなぁ…。

#おっさんずラブ #おっさんずラブinthesky

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