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Another

限られた時間の中で
無力で未熟な自分を思い知る
遠のいていく過去に
置いてけぼりになった
灯のような希望は
足早に過ぎゆく日々に
かき乱されたまま
その時々の着地点を
見出すほかない

言いたいことを言えるほど
〝言葉〟も〝知識〟も十分
持ち合わせてはいないから
突然起きる出来事や
人との対話で巻き起こる
化学変化に
僕らは何度も息をのむ

束の間の喜びを
ギュッと胸のどこかにしまって
いつかどこかで深く刻まれた
古の傷(いにしえのキズ)を

〝戒め〟にせず
〝誇り〟にできるよう

ただ、僕らは
何かで彷徨う人たちの
止まり木となれる場所となれれば
それでいいと思う

〝生きる〟ことを
あきらめることなく
残された時間を精いっぱい
その人らしく生き抜けるよう
支えていけたらいい
今日も目の前の出来事を
淡々と片付ける
時には涙しながら

1つの〝いのち〟と
向き合う場所だからこそ
どんな命も
〝大切〟で〝対等〟なんだ
現実を受け止めるために
時折、心折れるくらいの
強い言葉を放つ時もある

そこで終わりじゃない
まだ、次がある
まだ何か手はある

前に進むだけが
〝最上級〟でもなく
現状維持が
〝最善〟な時だってある
夜が明けるまでの数秒で
何かが変わることも
僕らは知っているから

目の前で起きた
〝嘘〟みたいな事実に
良い意味でも悪い意味でも
幾度となく
拳を握りしめてきたからこそ

何のためとか誰のためでもなく
ただ、目の前の命を紡ぐために
次の時代へ繋ぐために
ただ過ぎていく瞬間(とき)の中で
今、自分ができる事を
やってみるほかない

だから、信じることも
時には諦めることも必要なんだ
今の僕らにできる精いっぱいを
手放し、手向け、差し出して
互いに重ねていく

その時々の何かが
明日の糧になるように


※この詩は医療従事者の方たちへの感謝のお手紙ということで、綴り始めた詩なのですが、思いつくまま言葉を綴り始め読み返したら全く的外れな詩になってしまったので、長くなってしまったけれど、こちらに落としときますです(汗)

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