応募作品⑳「第26回NHKハート展」
※この作品は2021年、第26回NHKハート展に応募し落選した詩(5編)です。
NOTEに掲載するにあたり、気がついた分については、多少修正や加筆しております。
ココから ↓↓↓↓↓↓
___________【no.1】
「モチヨル」
私の〝常識〟があなたにとっての〝非常識〟で
あなたの〝常識〟が私にとっての〝非常識〟なら
互いの〝正しさ〟を認め合い
自分にしか見えない場所から
見える情景を語り合い
自身が持つ知見を勿体ぶらず解き放ち
知恵を出し合い
〝自分〟や〝社会全体〟がより良い方へ
風向きが変わっていくよう
できたらいいのに…
〝立場〟や〝国境〟を越え
時折、喧嘩することになっても
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【この詩について…】
自身がこの世に生まれて早いもので48年。幼い頃から、何とも言いようのないぬぐい切れない〝ナニガシカ〟は、他者との生まれ育った文化や価値観の違いが、そうさせていたのだと思うと私の中で怒りの矛先が変わった経験をしたことを思い出しながら綴りました。
20220205
___________【no.2】
「怖れ」
私にしかみえてない〝世界線〟は
〝秘密の花園〟みたいだから
自分以外の誰かと
共有してみたいのだけれど
もしかしたら、もうすでに皆は知ってて
私だけが〝今更〟気づいたとすると
そんな〝真実〟を知ったとき
心を閉じてしまった
あの〝夏の日〟を思い出しそうで怖くなる。
だから、言えないだけ
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【この詩について…】
数年前に自分自身がずっと握りしめていたネガティブな物事に気が付いてから、それらを対峙するために向き合う日々の中で、思春期時代に自らをなげうってしまった時のことを思い出すたびに、再度、そのトンネルというより、暗がりの森の中へ戻ってしまいそうになる感覚を言語化してみました。
20220205
___________【no.3】
「つらぬくーそのままGOデスー」
目の前で起きている現象を
自分ごとに置き換えられなきゃ
そこで【試合終了】デス
他人事のままで終わらせる人生でも
自分事のままで終わらせる人生でも
人によっては、人生〝詰んで〟しまう
どちらを〝選ぶ〟かは、自由だけれど
私は、その時々でどちらも〝大切〟にしながら
私の生き方を〝つらぬき〟たい
【この詩について…】
発達障害が発覚したことから、障害名や病名が二転三転し、現時点で告知されている障害名は「てんかんとてんかんせい障害」です。
発達障害か精神障害なのか、それとも、併存しているのか…。そして、それぞれに障害の分類された障害名をラベリングするとしたら、私はどんな診断名になるのか…。ドクターの見立てによって、大きく変わってしまう診断名は、現在の私にとっては、ただの【ラベリング】にしか感じられなくなっただけで、語彙を変えれば【分類】ということが現時点の私なりの着地点となっています。
そういう、はっきりと明確にわからない時期をもう何年も過ごしてきたことから、何かのきっかけで、大きく揺るがされても、私自身の信念が根をはっていさえすれば良いのだということを気がつけたのでした。
20220205
___________【no.4】
「草生える詩ww」
空気読め!
察してYO!
行間読んで…。
そういうのって〝自己都合〟とか
〝おまゆう〟案件で
〝お互い様〟ってヤツですよね?!
【この詩について…】
私がSNSを始めたのは今から12年くらい前になり、何度かくじけたり、いじけたりしてアカウントを削除したり、復活したり…。そんなことを繰り返しながらでも、今現在も利用しています。
ネットの世界に限らず、この詩に綴っているいくつかの〝呪い〟のような言葉を、外側からの同調圧力やしがらみ、または自分自身の経験から刷り込まれてしまい、見えないコミュニケーションのやり取りに疲弊していたこと…etc 内外関係なく、私の中に日々溜まっていた〝怒り〟を解消するための、呪い返しの呪文のような詩です(苦笑)
___________【no.5】
「1だけどn」
ずっと〝ひとりぼっち〟だと思っていたけど
世の中にはいろいろな価値観があって
人それぞれの〝定義〟や〝前提の違い〟で
何らかのグループに属することになるなら
孤独は感じても〝ひとりじゃない〟
【この詩について…】
思春期時代からずっと「孤独感」に押しつぶされていました。仲のよい友達ができても、気の合う仲間ができても、愛するパートナーができても…。
それは、子どもを産んでからも続いていました。
どんなに心を開ける人が目の前に現れても〝ひとりじゃない〟ということも〝一人では生きていくことが難しい〟ことも頭ではわかってはいても、どうしても、肚に落ちなかったんです。
この詩を思いつく日まで「孤独感」は、多少薄れてはいたけれど、まだまだ私の中でくすぶっていたように思います。
ハート展に応募するために、思いついただけ応募しようと思い、早々と4つの詩を思いつき、先の4つの詩は手描きしたものを応募しました。一人5編までということだったのですが、4つまとめてすぐ思いついたことから、残りの1編は、思い浮かばなければ応募しないつもりでいたのです。
が、なぜか、突然降ってわいたように、一文が思いついたことから、綴っているうちに、この詩ができあがり、長年抱えていた「孤独感」から解放されることになった詩です。
20220205
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最後まで読んでくださりありがとうございます。