薄墨色の雲が
空いっぱいに広がる
雲の絨毯の中で
アイボリーに輝く
まぁるい太陽が
雲の中でぼんやりと
光を放っている

それはまるで
どこか異世界への
入口のようで
その世界へ
吸い込まれてしまいそうな
気持ちにもなる

現実の世界なのに
本当はこっちが異世界で
あちらの世界が
私にとっての現実ならば
還らなきゃ……
そんなふうに思うと
かぐや姫が

〝月に帰りたい〟

と思うそんな気持ちが
ほんの少しだけ
わかるような気がした


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