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【アニメ】 呪術廻戦とKing Gnuの最強タッグ

週刊少年ジャンプで連載中の『呪術廻戦』。
人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で払う呪術師の闘いを描き、既刊23巻にしてシリーズ累計発行部数8,000万部を突破する人気作品だ。現在放送中のTVシリーズ第二期『渋谷事変』では、オープニングテーマに抜擢されたKing Gnuの新曲も話題に。そこで今回は、呪術廻戦×King Gnu の最強タッグについて語る。

呪術廻戦 × King Gnu の相性


TVシリーズ第二期『渋谷事変』のオープニングテーマに抜擢されたKing Gnuは、2021年12月に公開された『劇場版 呪術廻戦 0』でも、主題歌「一途」とエンディングテーマ「逆夢」を同時に手がけている。呪術廻戦の持つカオティックな世界観とKing Gnuの織り成すラディカルなサウンドデザインは相性抜群。そこでまずは、過去に手がけた2曲について紹介する。

呪術廻戦の原点 ”愛と呪いの物語” にピッタリな「一途」

この楽曲は、『劇場版 呪術廻戦 0』の主人公・乙骨憂太と折本里香の関係性を表すような、一途な想いが込められた歌詞が素敵な楽曲だ。冒頭の《最期にもう一強く抱きしめて/その後はもう何も要らないよ》というフレーズや、後半の《愛が体を喰いちぎった》という箇所からは、狂おしいほどの愛を感じられ、まさに「愛と呪いの物語」という作品のキャッチフレーズ、そして五条悟の「愛ほど歪んだ呪いはない」というセリフにもピッタリ。また、アッパーで攻撃的な曲調は映画予告の戦闘シーンにも見事にマッチしている。

乙骨と里香?それとも五条と夏油?「逆夢」

映画の公開に合わせてエンディングテーマとしてサプライズ解禁された「逆夢」は、「一途」と対照的なバラードである。井口理(Vo.Key.)の切なくも美しい歌声で始まり、センチメンタルを強く掻き立てるメロディが魅力的だ。この曲の歌詞も「一途」と同様に、乙骨憂太と折本里香の関係性を表しているように感じるが、受け取り方によっては五条悟と夏油傑の関係性にも聞こえてくる。それぞれの登場人物に想いを馳せ、涙を流してしまう名曲だ。映画の公開後PVも同じ映画とは思えないくらい、予告動画とはまた違った良さが詰め込まれておりTVシリーズ第二期『懐玉・玉折』にも繋がる五条悟と夏油傑の青い春が眩しい。

歌詞・映像・渋谷から語る
『渋谷事変』×「SPECIALZ」


そして『劇場版 呪術廻戦 0』で最高の相性を魅せたKing Gnuが再び呪術の世界に舞い戻った。TVシリーズ第二期の『渋谷事変』は全18話で構成される長編エピソード。そして、オープニングテーマの「SPECIALZ」にも様々な呪術廻戦要素が散りばめられてる。ここでは「歌詞」「映像」「渋谷」の3つの視点から、両者の魅力を語る。

【歌詞】  言葉が”無為転変”?スラング表現に注目

「SPECIALZ」には、一風変わった歌詞表記がある。それが以下の3つだ。

《“U R MY SPECIAL”》
《 “i luv u 6a6y”》
《 “get 1○st iπ 31”》

この歌詞はそれぞれ、You Are=U R、BaBy=6a6y、lost in =1○st iπ とスラング表記が使われている。これは、作詞を担当した常田大希(Vo.Gt)がお気に入りのキャラクターだと公言する真人の、”無為転変”(魂の形を変える術式)をイメージして言葉の形を変えたのでは?という考察もネット上であがった。そして《6a6y》は6が2つあることから五条悟の”六眼”を表しているとみられ、更に《“get 1○st iπ 31”》には、渋谷事変が起きた10月31日の日付が隠されている。リリックセンスと遊び心が光っているフレーズだ。

【映像】  没入感満点のオープニングから感じる呪霊側の迫力

呪術師と呪霊が隊列を組んで歩いているシーンから始まるOP映像は、かつてない大規模な戦闘がここから繰り広げられるんだ、という不穏感と迫力に満ちた始まりが非常にかっこいい。そして、真人が電車内で改造人間を創りながら愉快にスキップするシーン、特級呪霊達が所定の位置に向かうシーン、大量の宿儺の指が映るシーン。これらの映像から、如何に呪霊が満を辞して渋谷事変を企んでいるかが伝わってきてゾッとする。また「SPECIALZ」のリリックも至る所に猟奇的な描写があり、不気味さを助長している。そして何より、後半の8連続掌印ラッシュ。楽曲のテンポ感にも合っていて痺れるほどかっこよく、ファンの間でも話題を呼んだシーンだ。

【映像】  最狂のMusic Video

9月21日に公開された「SPECIALZ」のMVにも呪術廻戦要素が多く散りばめられ、プレミア公開のチャット欄も盛り上がった。獄門疆のような四角い空間でギターを弾く常田大希はまるで五条悟であり、ビートに合わせて藁人形に釘を刺す勢喜遊(Drs.Sampler)は釘崎野薔薇の芻霊呪法だ。他にも双子姉妹の美々子・菜々子を表してるような女性が出てきたり、真人の領域展開の演出があったりと、「あっ!あれだ!」という瞬間の連続。どこに呪術廻戦要素が隠れているのか、そして今後の結末を匂わせている演出はあるのか…。探しながら見るのもまた面白い。そして、その中でもKing Gnuのスタイルや世界観が確立しているのもまた秀逸である。

【渋谷】  共通する「混沌」の中にある美しさ

『渋谷事変』は、渋谷駅周辺を舞台とした大規模な呪い合い。「渋谷」「呪術廻戦」「King Gnu」、この3つに共通するのは「混沌」ではないだろうか。《東京前線興の都》である渋谷は、交通量も情報量も多い街。そして「呪術廻戦」も、登場人物の複雑な人生背景・人間関係や、交錯する負の感情、繰り広げられる惨劇の数々は混沌そのもの。また、King Gnuが創り出すアートワークや映像、楽曲展開など、彼らの音楽表現・芸術性も縦横無尽に息づいている。

ただ、どれもただ「混沌」としてるだけではなく、その中には美しさを感じる。渋谷を上空から見た時の煌めく光、廻りゆく人間の魂、芸術性に富んだ作品。どれもが混沌の中で光り輝いている。混沌極まる『渋谷事変』がどのような結末を迎え、どんな美しさを魅せるのか。今後の展開も見逃せない。

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