掲載されている記事は全て日記かもしれませんし、完全な創作物かもしれません。 一つだけハッキリと言えるのは、僕、渡月カユラが執筆したということ。 ただそれだけです。 掲載されている記事は全て朗読や声劇などの台本として利用可能です。 商用、非商用問わずご自由にお使いください。 ただし、僕は記事に対しての権利は放棄しません。 全ての著作権は渡月カユラに帰属します。 利用される場合は、『作者名:渡月カユラ』を必ずご記載ください。 利用報告については不要です。
真夜中の道路を歩く。 ふらふらと、ゆらゆらと、重い体を引きずって。 このまま車に轢かれてしまえばいいのに。 電池が切れたように突然倒れて、二度と目がさめなければいいのに。 明日など来なければいいのに。 そんなことを漠然と考えながら惰性で歩く。 何事もなく無事に家に辿り着いてしまって酷く落胆した。 あーあ、何も起こらなかった。 どうせ明日は悪い知らせがやってくる。 こんなときは決まってそうだ。 いいことなど何も起こらない。 諦めと絶望が体の中を渦巻
頑張っても頑張っても報われないのなら、はじめから頑張らない方が良かった。 努力なんてするだけ無駄だった。 ……なんて、思いたくもなるね。 いい結果が出なかった時。 いい評価を得られなかった時。 他人の活躍を見てしまった時。 他人に認められなかった時。 そんな時は特に、「どうして自分は」なんて考えて苦しくなってしまう。 その苦しみが重なっていくと、「どうせ自分は」なんて考えて諦めてしまう。 きっと、君は今その道の途中にいるんだろう。 君の気持ちは痛い
あーあ、どうせならもっと早くにやってしまえばよかった。 君みたいな奴のことを、僕があれやこれやと考えてやるべきじゃなかった。 全く、気付くのが随分と遅れてしまったよ。 ……いや、すっかり君に騙されたと言った方が正しいかな? あの時、僕がこの手で君をズタズタになるまで切り裂いてやればよかった。 二度と立ち上がれなくなるほど、完膚なきまでにやってしまえばよかった。 そうすれば、僕のように君に騙される人が一人でも減ったかもしれないのに。 別に、僕以外の人間がどうな
自分自身を物語の主人公だと捉えている男がいた。 物語の内容は喜劇ではなく悲劇だと信じて疑わなかった。 自分の人生は他の誰よりも深い悲しみに満ちた人生であるという自負があった。 男は自分が容姿端麗であると自覚していた。 自分の容姿はほとんどの人間を魅了できると確信していた。 男は自分の人生について語った。 なるべく悲劇的に、なるべく同情心を誘う様に。 何度も何度も。 これまでの人生で経験した出来事を出会う人々に語った。 自分に都合の良い部分だけを掻い摘んで
かつては僕にも夢があった。 無邪気に将来の夢を見て、夢を叶えたいと努力をした。 その夢がどんなに困難なもので、到底叶うはずがないものだと大人に諭されても挫けることなく。 かつての僕は、真剣に夢を目指していたんだ。 ふとした時に思う。 自分はどこで何を間違えてしまったのだろうかと。 いいや、きっと抱く夢を間違えていたのだ。 身の丈に合わない夢だった。 そうとしか言いようのない程に、僕の夢はことごとく叶わなかった。 僕には他人に愛される才能を持ち合わせてい