日に5分しか会えない夫からの冷蔵庫越しの手紙
私と夫は一日に5分しか会えない。
いや、それ以下のこともある。
もちろん一緒に同じ家で暮らしているし、
仲もとても良い。
夫は激務で、早朝に出勤して深夜に帰宅する。
運よく私が起きている間に会えても、5分ほどしか話せない。
ここ1年ぐらいはより忙しくなり、
顔を合わせるのが難しくなってきた。
大事な相談があったり、
私がどうしても声を聞きたくなったりする時には電話で話をする。
夫が私を気遣って仕事先から電話をくれることも多い。
コミュニケーションが充分に足りているかといえば怪しいけれど
とりあえず不満はない。
なぜ不満がないかといえば、冷蔵庫を開けると
夫の気持ちが入れられているからだ。
私の好きな飲み物や、チョコレート。
出勤前にカレンダーに書かれた私や息子の予定を見て
大変そうな予定があったり
私からの愚痴電話があった日には
そういった物を夫が冷蔵庫に入れておいてくれるのだ。
息子には、好物のお菓子を山ほど。
疲れきってヨレヨレの身体で
「soraはこれが好きだったっけ」と
色々選びながら買ってきてくれていると思うと
その優しさがありがたいなあと思う。
私もお返事に夫の好きな飲み物をせっせと冷蔵庫に詰める。
たったそれだけだけど、大切なやりとりになっている。