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夜中の電話

※ブログ「そらさんの日進月歩」2006/6/21分転載

私の遠距離介護生活。

それは2002年の3月から始まった。

夜中に一本の電話。
「落ち着いて聞きなさい。お母さんが倒れたよ。脳出血らしい。もう処置は済んだし命にも別状はないから、朝になったら落ち着いて帰って来なさい」という内容。広島で母が同居させて頂いていた親戚の叔父からの電話だった。

この電話から私の人生は大きく変わっていくことになる。もうすぐ33才になろうという、その時から…。

「落ち着きなさい」と言われても、落ち着けるわけがない。どんな風に朝になったのかはよく覚えていない。

落ち着いたつもりていたのに、気がつけば横断歩道を赤信号で渡ってしまっていて、車にクラクションを鳴らされる。
「あ、私、動揺してるんだ…」

母、2度目の脳出血

1度目の脳出血の時は2週間で軽快。退院することが出来た。そこからのんびり過ごせばよかったのだろうが、老後の不安に加え、健康への不安も加わってしまった。脳出血による脳の損傷がもたらす、機能的な不安感もあったのかもしれないと今は感じる。

東京と広島。
離れて暮らす私は、そんな母の細かな経過を見過ごした。

そして季節が過ぎ、ちょうど1年後の3月。
2回目の脳出血の発作で倒れたのだ。

残念なことにこの発作で、右半身の機能をほぼ失い、脳障害からくる言語障害、もの忘れなどを伴う重大な後遺症を残すことになってしまった。

母と私、途方に暮れながらも、どうやって生きていけばいいのか模索する日々が始まることになったのだ。

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