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「こころと幸せと」...岡潔先生に出遭う

「情」といいますと、感情のことと思われますね?
でも、ほんとうは、こころの奥深くにある、自他の区別のない、時空も超えた、わたしたちの本体ともいえる「真情」が、ほんとうの情なんだそうです。
軽々しく、情と呼ぶなよ、ということかも知れません。
感情とは、顕在意識の表層にはたらく、五感に翻弄される気分のような極浅い、コロコロ変わるこころのカケラのようなもの…
当然、それが、本体であるわけがありません。
 春は桜、秋はもみじ、四季の移ろいに想いを重ねて、先人たちは和歌を詠み
俳句を編みました。千年前の歌、江戸時代の句を現代のわたしたちが理解でき
るのは、単に日本語がわかるからだけではなく、脈々と受け継がれて来た見え
ないこころを共有、共振しているから…
意識していない眠ったままの真情を今こそ蘇らせる時がきました!

 小学4年生で算数に挫折したわたしが、後年、世界的な第1級の数学者、
岡潔(おかきよし)先生の晩年の(超難解といわれる)未出版テキストを読み上げ
&解説する日が来ると誰が予想したでしょうか。
畏れ多いことですが、縁とはそういうものなのでしょう(汗)
この世に偶然はないといわれます。
ですが、浅学の凡人だからこそ、解説できることもあると信じています。
ひとそれぞれの理解で良い、ひとつ知ったら隣のひとに、まちがったらそこ
からやり直せばいいのだ、即行いに現せ…岡先生のお言葉を胸に刻んで進み
たいと思っています。

1901年生まれの岡先生のお言葉は、文語調で哲学的、文字列の日本語すら
理解不能という方が続出するため、仕方なくオリジナルの文章を書くことに
なりました。先生のテキスに手を入れて意訳改編したくないからです。
そういうわけで、これまでに解説して来たこと、担当する番組でリスナーさ
んと共有して来たことなど混じえながらお話ししたいと思います。

昨秋、岡先生の応接間にかけられた「情緒」の色紙に対峙した時には、わが
意を得たり、と感動しました。
数学も物理も未だに鳥肌ですが、「素数が何故存在するのか、ひとことも
答えられない数学なんて大した学問ではない」と精神、意識の深い探求に
向かわれた天才のおっしゃる意味を理解するには、仏教、哲学、古代神道の
素養がいくらか必要と感じます。
しかし、ほんとうに必要なのは、センス。
それは、わたしたちのこころの奥に備わった、いや、本体というべき「情」
のはたらきのことではないでしょうか。
だから、大丈夫、昭和なひとも平成のひとも、令和生まれのひとでも…
わたしたち日本人のこころの神髄を少しずつ、感じていきましょう。

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