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24.袖引きちぎって袖ヶ浦
どーもー、201号室のキャバ子です。
桜を見る度、本当は思い出すことがあんの。
桜は正直好きじゃなかった。とくに、八重桜が。
なんでって?
母親が似たような名前してんのよ。
でもね、玉平さんが桜を好きなものに変えてくれたの。
毎年こうやって『たまひらハイツ』で桜を囲む。
わたしは好きよ?この時間。
わたしの腕にはいくつもの痣がある。母親にできた男に虐待された跡なの。
この痣見せる為に、いつだって腕見せてんのよ。
ホント、袖引きちぎって袖ケ浦。
翔と遊んだ。
母親がいなくったってね、人は幸せになれるのよ。
きっと『たまひらハイツ』が、翔のことも幸せにしてくれる。
こんな話してたら、浩成が買い出しから戻って来たじゃない。
さっ、花見はじめるわよ。
皆さんも、乾杯!