『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を働きながら読んで、考えたこと。
「時間がないからに決まってンだろ!!!」
その本のタイトルを見た時、私は心の中でツッコんだ。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』——三宅香帆さんの本。
書店で大々的に売り出されていて、そのタイトルが目に飛び込んできた。
三宅さん、という作家さんがいることは、前から知っていた。
が、著書を買うのは今回が初めてだ。
買った決め手?
——うん。もちろん。そのタイトルだ。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」
——それはまさに私が日々感じていたことなんだから!!
いや、きっとみんな感じているに違いない。
読書量の多少に関わらず——年間100冊読んでいる人でも、2,3冊の人でも——、社会人になる前後で、読書量は減ったに違いない。
かくいう私もその一人。
めっきり「働いていると本が読めなくなった」人間なのだ。
だからこそ、私は本書を手に取った。
「教えて!!三宅さん!!!なんで本が読めなくなるんですか!!!」
◆
はじめに——この記事を書いたきっかけ
「書かずにはいられなかった」からだ。
「働いていると本が読めない」なりに、私は日々、本を読んでいる。
(とはいえ、その数は多くないけれど)
読書が大好きな私にとって、本は生活になくてはならない存在だ。
でも、全ての本を読んだ後に、この記事みたいに、感想・考察の記事を書くわけじゃない。
「読んで終わり」の本も多い。
でも、たまに——「ビビッときた」本に出会ったときに——こうして記事を書くことがある。
読んだ時の感想とか、「私はこう思ったよ」ってのを、記録に留めておきたくて。
つまり何が言いたいかっていうと、
この本は、久しぶりに「ビビッときた」本だってこと!
三宅さん!素敵な本をありがとうございます!!
◆
本書のあらすじ
まず、本書の表紙をめくったところ(ここ、なんて言うの?)に書いてある紹介文を引用しよう。
考えたこと|うんうん。「自己実現」は仕事じゃなくてもいいよね!
本書の本筋とは関係ない(かもしれない)けど、
私が本書の中で一番ビビッときた箇所をご紹介したい。
「第八章 仕事がアイデンティティになる社会」だ。
その中でも「1 労働で「自己実現」を果たす時代」(p185〜)が特にビビッときた。
該当箇所を引用する。
——いやマジでそれな!!!
ヘドバンの勢いでうなづいてしまった。笑笑
これは常々私が思っていたことでもある。
なあんで(なんでなんだろうね?)「自己実現」っていうと、どこか「バリキャリ」みたいなイメージがつきまとうんだろう?
そこまで行かなくても、「仕事でうだつが上がらない人」をみたとき、「きっと私生活も・・・」と思ってしまうのは、なぜなんだろう?
バリバリに私生活は充実しているかもしれないじゃん!!!
なのに、どこか「自己実現」してない感じがつきまとう
——これに強烈に違和感を覚えていた。
そんな私だったので、本書のこの箇所を読んだとき、「うんうん。そうだよ!そうだよね三宅さん!!!」と思わず叫んでしまったのだ(心の中で)
——だからなに?って聞かれると困っちゃうけど・・・
そう思いました!ちゃんちゃん!って話!
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」への私なりの考え
本書では、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか?」への解答として、「仕事以外の文脈を取り入れる余裕がなくなるからだ」(p234)と答えている。
これも本当にそうだよなああ、と頷いてしまった。
いわゆる「仕事モード」の時って、ビジネスっぽい考えに支配されちゃってて、文学とかSFとか、——ラブストーリーさえも——頭に入ってこないよね。
入ってこない、というより、「入るところがない」って感じ。
それはそうだな、と思いつつ。
私はこうも思った。
本書では、なぜスマホ(「パズドラ」というソシャゲ)はできるのに、本は読めないのか?との問いが立てられている。
その答えは、パズドラには「ノイズ*」がないからだ、という。
*ノイズ:歴史や他作品の文脈・想定していない展開
ざっくり言い換えると「自分には関係のないこと」がノイズだ。
スマホのゲームには、「自分の関係のあること」しかない。
だって、そのゲームをやりたくてやってるんだから。
しかし、本はそうは行かない。
自分が思ってもみなかったような展開になったり、自分が興味のない話が盛り込まれていたりする。
「自分に関係のないこと」が、本には存在しうるのだ。
このノイズのあり/なしは、「心理的な話」である。
「心理的なハードル」と言い換えも良いだろう。
でも。こうも思うのである。
「物理的ハードル」だってあるんじゃない?
本を読むのは——少なくとも「パズドラ」よりは——疲れる。
1日みっちり労働した後に、あえて「疲れる」ことをしたいか?
いや、したくない。
だから本は読めないけど、スマホはできる。というわけだ。
本書にはこの「物理的ハードル」の話がなかった(読み飛ばしていたらスミマセン)ので、「こんな可能性もあるんじゃない?」と思った次第である。
最後に:「働きながら本を読むコツ」、やってみた!
本書の後書きとして、「働きながら本を読むコツ」が紹介されている。
どれも「たしかに!これなら読めそう!」と思うものばかり。
いくつか紹介されていた中で、私はこれを実践してみた!
仕事帰りに、ふらっとカフェに寄って、小一時間くらい本を読む。
——読める。読めるのだ!
うおお!本が読める!!!
ただし!
これと同時に、私はあることに気づいた。
そうだ。そうなのだ。
家に帰っちゃうと、もう「Off」モードになっちゃう。
だから、そこから「よし!カフェに行って読書するぞ!」ってエネルギーは湧いてこないのだ。
だから、ポイントは「帰る途中」なのだ。
「帰った後」ではない。
「帰る前にやり遂げちゃう」ってのが大事だね!◎
——まとまってないけど、今日はこれまで!