まな板の選び方1つで変わる日常
トントントン。
木のまな板には魚絵の焼き印があり、食材ごとに使い分ける。
台所から聞こえる朝の音は、私の子どもの頃の遠い記憶。
バタバタバタっ。
登校前の毎日。
手ぶらで歩きたいのか、無理やりランドセルに水筒やらを詰め込もうとして「何で入んないんだよ!」と格闘。
朝の余裕なんてどこへやら。
夕食時、リンゴをカットしようとまな板に触れたところまでは覚えているが、その後の記憶がない。
瞬時、左足に激痛が走る。
動けない。
態勢を崩せない。
どうしようもなく痛い。
ぐわぁあぁぁ。言葉にならない。
痛みを外へ逃がすように呼吸を整えながら、足の指を見るとすでに紫色。
冷静さを取り戻し、まな板をざっくり測ったところ幅35cm、奥行21cm、厚さ4.5cm、重さ1226g。素材は木。
時に凶器となるのか?
まな板に罪はない。
手を滑らせたというより一日の最終コーナーあたりで、キッチンに立った喜怒哀楽の感情が、まな板に包丁に向かっていた。
そう、私は苛ついていたのだ。
これまでもどうしようもない時は言葉を飲み込み、キャベツを思いっきり刻んでアジフライに添え、真夜中に味わいながら一人で食べていた。
寝たいけれど食べたい。上手くエネルギーを蓄積できなかったんだと思う。
まずは朝一で病院に行くことを決め、そそくさと寝た。
いつも通りの慌ただしい朝が過ぎ、片付けたサンダルを引っ張り出して履き替え病院へ行く。先生の「やっちゃったね」な雰囲気もあって、レントゲンで確認するが骨折確定。
やってしまった。
これまで頻繁へ整形外科に通うことはなかったのに、一年に一度のペースで骨折している。これはまずい。調べ進めていくと「くりかえし骨折」があるようだ。
ギプスできる部位ではないので、テーピングで固定。
お風呂へ入るにしろ一苦労だけれど仕方がないし、これでやるしかない。
1か月は休息・充電期間にしようと思ったが、2024年が終わる時期だし焦りは禁物。まずは体調を整えて来年に向かおう。
さて、今のまな板事情はどんなものか?
素材はプラスチック、ゴム製、木製。形は長方形、円形等。紐で吊り下げられる穴付き、スタンド付き、軽いか重いか、滑り止めがあるか等。厚みがある木製のまな板を扱っている会社では、まな板の削り直しをやってくれるところもある。
正直、私は料理上手ではないが、美味しそうなレシピを見かけたら作ってみる。ほぼ時短的なものだけれど、できる範囲でできるだけ僕と一緒に、にわかでも料理を作るようにしている。
ほぼほぼ僕は味見担当で、それはそれでいい。
まずは、キッチンに立ち洗い物を洗う。混ぜる。分量を量る。
もう危うい感情をキッチンに持ち込むことはやめよう。
その思いが重みとなって自分に降りかかることがよくわかった。