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記憶の有効期限について考えてみる

約1ヶ月ぶりの投稿ですね!
2023年も始まり、そろそろプレゼン資料や契約書やその他諸々に「2023年◯月×日」と書くことにも慣れてきた頃でしょうか?私は未だに慣れません!そんな先の思いやられるさかもとです( ´・ω・`)

さて、今回はタイトルの通り「記憶の有効期限」について考えてみようと思います。

1|なぜこんなことを考えるに至ったのかのその経緯

たまに突然哲学的なことや突飛なことを考え始めがちなわたくしですが、今回は明確に理由があります。今年は1/14と1/15に行われたほとんどの高校生の通る最大の関門。そう、共通テストです。
大学に入ってからというもの日常の中ではほとんど意識をすることもなくなってしまう共通テストですが、やはり某ブロック菓子やエネルギーをチャージできるゼリーの会社の広告が電車内に並ぶようになると朧げにでも当時の記憶が甦るものです。そして、そんな記憶と共に思いました。

今年の問題解けるのだろうか…?

結論から言いましょう。無理でした。
ちっぽけなプライドを守るべく言い訳をすると、解けないことはないけど時間もかかるし、当時の得点には遠く及ばないというのが正確なところです。(もっとも、全部やると9時間コースなので途中で放棄しましたが)

言い訳はこの辺にしておいて、いくつか一問一答で答えられそうな問題をピックアップしてみますのでチャレンジしてみてください。

(国語)
第1問 問1 カタカナ部分の漢字を答えてください。(改題)
可能であれば手を動かして机か空に書いてみてください。
(エ)キンセンに耳を傾ける
(オ)ウトンジラレル(漢字 + 送り仮名)

(数学2B)
第1問 〔1〕三角関数に関して、□ / ■ にはいる記号(< or = or >)を答えてください。(改題)
(1)X=π/6のとき、sinX □ sin2Xである。
(2)X=2/3πのとき、sinX ■  sin2Xである。

(世界史B)
第1問 A
第一次世界大戦に関して説明している文章のうち、正しいものを1つ選んでください。
① オスマン帝国が協商(連合国)側で参戦した。
② フランス軍がタンネンベルクの戦いで、ドイツ軍の進撃を阻んだ。
③ イギリスがインドから兵士を徴収した。
④ レーニンが十四か条の平和原則を出した。

中日進学ナビ「2023年度大学入学共通テスト 問題・解答速報」

さて、いかがだったでしょうか?(答えは最後に載せます。)

最後の問題に関しては世界史Bを選択している方向けなので良いとして、前半2問は高校時点で履修されている方が多いはず。(はず。たぶん。おそらく。やってなかったらごめんなさい。)

ちなみに文系にしては得意な方だと自負していた数学はもうそれはそれは惨敗でした。既に過去の栄光というやつです。

2|共通テストの問題から思う記憶の有効期限というもの

始めに大前提として断っておくと、ここから先の内容は義務教育や高等教育の内容を否定するものではないです。
個人的には、昨今否定されがちな現行のカリキュラムであっても、意味のあるものだったと思いますし、当然そこから学んできたことがたくさんあると思っています。

ここまで長々と書いておいて何ですが、先ほどの問題が解けたかどうかは正直どっちでもいいと思います。解けたのならばそれは当然凄いことですが、解けていなくてもこれらの知識をビジネスの場で直接使うことは稀でしょう。
今回の問題から考えたいのはタイトルにある通り、

記憶には有効期限がある

ということです。使用期限と言い換えた方がわかりやすい人もいるかもしれません。

学生のとき必死になって覚えた漢字や英単語を今でも全て覚えていたり、1868年に起こった戦争の名前をパッと言えるなんて人は本当に限られた人だと思います。もちろん自分もその1人です。
ですが、確かにそれらの知識は私たちの記憶の中に焼き付けられていた時期があって、それらを自由に取り出すことができていた時期があったのです。

わかりやすく勉強の話を持ち出しましたが、小学生の頃にハマっていた趣味や習い事、過去によく聴いていた曲の歌詞でも同じことが言えるでしょう。
「取り出す」という行為を行わなくなると、やがてその記憶は錆つき、意識をしても取り出すことができなくなってしまうということです。

残念ながら、これはみなさんがハイパーサイメシアではない限り必然の現象です。

3|ではどうするか

もちろん全ての記憶が全員にとって等しく必要であるということはありませんし、そんなことを言うつもりもないです。
先ほども書いた通り、ほとんどの人にとって三角関数の公式や、歴史の知識、化学で学ぶ諸現象の原理など忘れてしまっても生きていけます。
(何ならこのご時世、インターネットで調べれば大概のことはわかるでしょう。)

1つは記憶を単体のものとして捉えるのではなく、その過程によって得られる抽象的な学びとして認識することです。
例えば自分がよく塾の生徒に言っていたこととして、


円の公式やベクトルの計算式を将来そのままの形で使うことはないと思うけど、与えられた「問題の前提情報」に対して自分の持っている知識をどう使えば「問い」に答えられるかという一連の思考プロセス自体は一生使うものだと思う。

何なら今の自分がちょうど四苦八苦しているところです。

そして2つ目は記憶は錆び付いていくものだと自覚して忘れていくことです。
卒論を担当してくださった先生はよく

同じ行動でも自覚をした上でのものかそうでないかで天と地ほどの差がある。

と仰られていました。

今回の件もそうで、記憶の表層(取り出しやすい場所)においておくものを意識的に選んでいるかどうかで次の行動の質は大きく変わるでしょう。
せっかく振り返って得た学びを無思考に錆びつかせてしまっては、意味のないどころの話ではありません。むしろマイナスです。
振り返って得た示唆だが次はどの程度の強度で意識した方が良いのか否か、毎日意識することなのか否か、などを思い巡らせて、そこに合理的な理由さえあれば一時的に忘れてしまうのも1つの手だと思っています。

長々と書いてはしまいましたが、オチはないです。
何とも儚い記憶に手を合わせながらも受け入れて、今日も何かを忘れていきましょう!
深夜テンションでnoteなんて書くもんではないですね!
それでは次のnoteでお会いしましょう!

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共通テストの答え合わせ
(国語)
第1問 問1 カタカナ部分の漢字を答えてください。(改題)
(エ)琴線(キンセン)に耳を傾ける
(オ)疎んじられる(ウトンジラレル)(漢字 + 送り仮名)

(数学2B)
第1問 〔1〕三角関数に関して、□ / ■ にはいる記号(< or = or >)を答えてください。(改題)
(1)X=π/6のとき、sinX □ sin2Xである。
(2)X=2/3πのとき、sinX ■ sin2Xである。

□ には「< 」が、■には「 > 」がそれぞれ入ります。
sinAの値はX=π/2のときに最大で、X=0またはπのときに中間点の0となり、X=3/2πのときに最小の値を取ります。

この前提のもとで、それぞれの式にXを代入すると
X=π/6のとき:sin π/6 < sin π/3
X=2/3πのとき:sin2/3π > sin4/3π

こちらのnoteが比較的わかりやすかったので参考までに。
三角比・三角関数の公式を単位円と関連づけて理解する

(世界史B)
第1問 A 第一次世界大戦に関して説明している文章のうち、正しいものを1つ選んでください。
① オスマン帝国が協商(連合国)側で参戦した。
② フランス軍がタンネンベルクの戦いで、ドイツ軍の進撃を阻んだ。
③ イギリスがインドから兵士を徴収した。
④ レーニンが十四か条の平和原則を出した。

正解は③です。
① オスマン帝国が同盟側(ドイツやオーストリアなど)で参戦しています。
② タンネンベルクの戦いでドイツ軍と戦ったのはロシア軍です。
  勝敗の結果はドイツ軍の圧勝でした。
③ 当時、インドは大英帝国の植民地で第2次世界大戦時もインドで徴兵を行なっています。この辺のわだかまりがカシミール問題の原因の1つにもなっています。
④ 十四か条の平和原則を出したのは、アメリカのウィルソン大統領です。
民族自決の原則などが比較的有名です。

ちなみに…
1868年は戊辰戦争が始まった年です。
明治のあれこれって意外と最近の出来事に感じませんか?


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