博士院生の日記#7 彼女が好きなものは
11時起床。毎日3000文字以上執筆して追い込み期になったためか、よく眠れる。昼食を食べて、午後から大学に向かう。ついて2時間くらいは、読み物・調べ物をしながら映画でも流しておく。『彼女が好きなものは』(2021)という作品を見る。最近、『エゴイスト』を期待してみたが、個人的には前者の方が好きだったし、意味があると思った。『エゴイスト』が画面構成からして徹底的に社会や世界を信用していない(背景を写していない)のに対し、『彼女の好きなものは』はむしろ徹頭徹尾、背景––環境が問題になっていると言ってもいい。背景に生きている人こそが、その時代を懸命に生きる主人公だと感じる。同じようなことを宮崎駿が『風立ちぬ』の制作過程で言っていた。「群衆」をきっちり書くように。群衆が群衆たる矜持を持って懸命に生きていた時代に思いを馳せる。
そういえば、きょうの京都は雪が舞っていた。春の訪れをまえに冬がもがいているようだ。
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