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憧れの伊集院光さんにネタを読んでもらうまで ~8か月間の投稿と初採用への道のり~
深夜のラジオから聞こえてくる、あの独特な語り口調。伊集院光さんの声には、誰もが一度は魅了されたことがあるのではないでしょうか。私もその一人で、「いつか自分の書いたネタを、あの伊集院さんの声で読んでもらいたい」という夢を追いかけ始めました。
投稿を始めたきっかけ
今年の4月、ついに重い腰を上げて『深夜の馬鹿力』への投稿を始めることを決意しました。当初は「面白いネタさえ書けば、すぐに採用されるだろう」という甘い考えでした。しかし、現実は厳しく、その道のりは想像を遥かに超える険しさでした。
初心者あるあるの落とし穴
投稿を始めた頃の私といえば、毎週のように「今回のネタは間違いなく採用される!」と思い込んでは、見事に玉砕していました。番組で採用される常連リスナーのネタを聴いて「そんなの私にも書けるんじゃないか」と高を括っていたのが、そもそもの間違いでした。
実際の投稿生活は、こんな感じでした:
1週目:「完璧な構成!これぞ伊集院節!」→ スルー
2週目:「今度こそ!もっと練りに練ったぞ!」→ またスルー
3週目:「もう駄目かも...」→ やっぱりスルー
継続は力なり...というか、継続しかない
8ヶ月で約650通(毎週20通ずつ)。数字にすると相当な量に見えますが、実際にやってみると「まだまだ甘かった」と痛感する日々でした。毎日のように新しいネタを考え、書き、投稿する。その繰り返しの中で、少しずつですが確実に成長を実感できました。
最初の頃は、自分の書いたネタが面白いのか、つまらないのか、客観的な判断すらできませんでした。しかし、投稿を重ねるうちに、「これは伊集院さんが読んでくれそうだな」「このオチは弱いな」といった感覚が徐々に身についてきたようなきてないような気がします
推敲の重要性
一つのネタを何度も書き直す習慣がつきました。スマートフォンのメモ帳アプリは、書きかけのネタや没にしたネタであふれかえり、ストレージ容量との戦いが始まったほどです。
時には、電車の中で思いついたネタをその場でメモし、家に帰ってから推敲する。寝る前にもう一度読み直して修正を加える。そんな日々を重ねるうちに、文章を組み立てる力も自然と身についていきました。
ついに来た初採用の瞬間
初投稿から8か月。もう疲れ果てていた頃、ついに初採用の時が訪れました。深夜のラジオから流れてきた伊集院さんの声が、私の書いたネタを読み上げる瞬間。その喜びは、それまでの苦労を一気に吹き飛ばすほどのものでした。
得られたもの
この8ヶ月間の投稿生活で、単なるラジオネタ作りの技術以外にも、多くのものを得ることができました。文章力の向上はもちろん、諦めない心、創造性、そして何より「継続することの大切さ」を学びました。
毎日コツコツとネタを考え、推敲し、投稿する。その過程自体を楽しむことができれば、たとえ採用までに時間がかかっても、それは十分に価値のある経験となります。
これから投稿を始める方へ
最後に、これから投稿を始めようと考えている方へのアドバイスです。
きっと皆さんの中にも、「伊集院さんに自分のネタを読んでほしい」という夢を持っている方がいらっしゃるでしょう。その夢は、決して遠い場所にあるわけではありません。継続する力さえあれば、必ず叶えられる夢なのです。
今この記事を読んでいるあなたも、ぜひ一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
おまけ:実際に採用されたネタ
8か月目にしてついに採用された私のネタをご紹介します。テーマは「ウソ昭和カルタ」。Z世代に向けて、あえて嘘の昭和エピソードを教えて「昭和やべえ」と思わせようという趣旨のカルタでした。
【ま行】から一句:
「む むカデ競争が オリンピックの 正式種目として 採用されていた」
このネタが採用された時は本当に信じられない気持ちでした。伊集院さんの声で読まれる「ムカデ競争」という言葉。その瞬間、8ヶ月間の苦労が報われた気がしました。
実はこのネタ、電車での帰宅中にふと思いついたものでした。スマートフォンのメモ帳に走り書きし、家に着いてから何度も推敲を重ねました。「オリンピック」という誰もが知っている大会に、明らかに場違いな「ムカデ競争」を組み合わせることで、より強烈な違和感と笑いを生み出せると考えたのです。
採用されたネタを振り返ってみると、それまでの8か月間の投稿全てが、このネタを生み出すために必要な経験だったのだと実感します。時には挫けそうになりながらも続けてきた努力が、このような形で実を結んだことを本当に嬉しく思います。