誰も居ないなら探しに行こう
誰かの居る風景
誰かの居る景色
でも
こちらからは見えても
その誰かからこちらは見えないんだ
だから
虚構の中に取り残された物語の主人公は
いつだって寂しげに見えるんだ
でも
物語の中には大抵その主人公の"仲間"ってのがいて
絶対に孤独にならない工夫がされている
人はその事に気付かないし
それが当たり前と思っている
ところが
いざ
1人で生活して生きてみると
人生の主人公である私には
あの物語の中で見たような景色は広がらず
友達や仲間という存在を認識することができなかったんだ
この虚構の中にすらそれは見つけられず
またこうして書いてみるものの
これを読む人もおらず
もし稀にいたとしてもそれは
仲間でも友達でもないという冷たい真実を突き付けられる
家族というのはすなわち
家に属する人であるだけで
友達でも仲間でもないのだ
それぞれその家の外にそういったものを作る
それが人のシステムなので
子供たちと仲の良い母親というリアルは
いずれ過去になり母親のみ虚構の中に取り残される未来が待ち受けている
要するに
何を求めても
何も手に入らない
それがこの世界の摂理
心に刻まれた風景
心が覚えてる景色
全て
風景や景色の中に溶け込んだ
感情や心や想いに写真のように取り込み
保存して記憶の中で懐かしみ慈しむ
それだけが私に許された楽しみ
なのかもしれないと
適当なことを言ってみる
感傷に浸るのも時には悪くない
夢が無いわけじゃなかった
叶えたかったけれど
今はまだ叶わない
今世では叶わないのかもしれない
友達を誘ってお茶をするとか
カラオケに行って盛り上がるとか
テレビの芸能ニュースの悪口を言うとか
ドラマや映画の感想を共有するとか
仕事の愚痴を言い合うとか
かんぱーい!ってそれぞれの場所で呑み楽しむとか
子供の成長について悩み相談するとか
親の世話について嘆き悲しむとか
ニュースの報道に憤り怒るとか
通勤電車が全て緊急停止になりにっちもさっちも行かなくて疲れ果てた上に遅刻して嫌味言われながら勉強や仕事をするとか
ビール飲みながら受けた質問にダラダラ答えるとか
世界中の見識を集めて人々に伝えて意識高くするとか
カードリーディングして人を癒したり混乱させたりとか
過去の文献持ち出して面白おかしく考察して伝えたりとか
人生経験から人の質問に答えて親切に振る舞うとか
ただただ可愛い猫を世界中に垂れ流すとか
途方もなく広がる宇宙の果ての見たこともないような何かを面白おかしく伝えるとか
今朝の卵焼きがお気に入りのお弁当屋さんに入ってる味に似てることとか
コーヒー飲んでも眠くなる話とか
子供の頃悲しかった話とか
今生きてる意味が分からない話とか
すごい修行した人の話を聞いて
自分はまだまだあまちゃんだが
平和に暮らせることは幸せものだと知ったりとか
戦争や紛争で苦しむ人達を哀れみ
早く平和が訪れますようにと
千羽鶴を折るとか
人の過ちを総出でフルボッコにするとか
月に100万しか貰えないって言って叩かれたりとか
勝手に死んでしまった人を
悲しんだり共感して死んでしまおうと思ったり
ただただ
満月が綺麗だと眺めたり
雨続きの晴れ間にお天道様ありがとうと手を合わせたり
どれも
真実で
どれも
虚構
心が覚えてる景色
それだけ
誰かが言った見つけてくれと
誰かが言った隠してくれと
これは問わず語り心に刻まれた風景
これは問わず語り心が覚えてる景色
もういいんだ
全て
全て
消えてゆく虚構なんだから
永遠に留めておくことなんてできやしないんだ
ここに書いたこのくだらない言葉たちだって
削除してしまえば消えてしまうんだ
私の命だって
絶ってしまえばそこで終わる
全ては虚構だと
誰もが知りながら
見ないふりをして生きるという事へ
意味を持たせようとして必死に何かを誤魔化し
長く長くこの世界へ依存してその景色を見続けようとしている
それが
この世界の全て
それが
生きるとか生きたとかいうもの
何も残さなくても
誰かの心に残ればいい
それだけが
確かな答えなのかもしれない
ところどころ
この歌の歌詞を引用させて頂きました
ほんとしつこくこの歌に執着する
心奪われて離さない詩の世界観にひたひたしているその瞬間だけが心地よい…
それだけの話
誰にも届かなくても
ここに書くことで満足するので
書いています
探しに来たんだけどね…
この世界にはもう誰も居ないのかもしれない
でもきっと
誰かが居たのかもしれないから
それだけは信じてみようと思う