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金の延べ棒
今日は母が市民病院へ通院の日
行きは地域のコミュニティバスが家の近くから出るので、母はそのバスに乗ってひとりで病院まで行く。
診察が終わると、『終わったよ』とLINEが来て私は家を出て車で約30分、市民病院横の調剤薬局へ迎えに行きます。
終わったら連絡くれればいいよといつも言いながらも、母をあまり待たせたくないので、実は予定の時間より早めに家を出て病院の近くで待機したりしている。
今日もそのつもりだったが、予想より早く、まだ私が家にいる時間に『診察終わりました』のLINEがきた!
えー、早いじゃん。
『早いな!』と返信すると
『ゆっくりでいいよー』と返信
急に忙しくなったぞ!
バタバタと支度を終えて家を出て向かった。
通常は30分ほどで着くのだが、今日はあと少しのところまで来て結構な渋滞。
なんで?年末だから?
しばらく進むと納得した。
ケーキ屋さんの駐車場に警備員が2名
車が入れ替わりでどんどん入っていく。
なるほど、今日はクリスマスイブ。
人気店。
だが、ケーキ屋さんを過ぎても渋滞でした。
渋滞の理由はわからなかった。
40分ほどかかってしまった。
母に『着いたよ』とLINEすると
すぐに薬局から出てきた。
母は1週間に一度のペースで買い物をするので、病院の後はスーパーに行ったり買い出しの足となり、お手伝いをする。
今日は、私が午後から歯医者の予約を入れてしまったので、あまりゆっくりできない。買い物は、病院近くのスーパーで済ませようということなった。
お昼ご飯も一緒に食べるのだけど、今日は病院がいつもより早く終わったので、食事にはまだ早い。
靴が見たいと言うので、靴を一緒にみる。3個ほど試し履きをして、軽くてソールも柔らかな良いのがあって、母も気に入って買った。
DAISOでも何か見たいものがあるようで、私も母の周りでいろいろ見たけれど、特にいるものは無かった。
母は作業用の手袋や霧吹きを買った。
食品を買う前にお昼を食べようとお店に入り、軽く軽食をたべた後、母はスーパーへ。
1週間分買うので、結構時間がかかる。
その間いつも別行動して、私は自分の見たい物を見て時間を潰し、レジを済ませた母からの『終わったよー』の電話で合流して、荷物を詰める。毎回すごい量だ!
車に沢山の荷物を積んで、実家へ向かう。
家に着くと、買った物を私が袋から出し、母が手際よく冷蔵庫や冷凍庫などに片付けていく。いつもの流れである。
そして、母がコーヒーを淹れてくれる。
コーヒーとお菓子をつまみながら、母が調子が悪いと言うスマホの設定やら音量をみてあげる。これもいつもの流れ。
多分触っているうちに、触らなくて良いところを触り、設定が変わってしまうんだよね。
『この前ね』と、母が話を始めた。
私の父は数年前に他界している。
そんな父の妹と母が、先日電話で話したそうだ。
話題は遺言の話だったらしい。
話を聞いて、私も母に遺言書を書いて欲しいわと言ったけれど、貴方たちは兄弟仲良いし、必要ないでしょ?と。
いやいや違うんだって、私たちは良くても、連れ合いが色々口出すパターンとかよく聞くよ!そう言う時のための遺言書だよ。揉めたくないもん。
私なんか、遺産も全然ないし揉めないわよと言う。
そして、その妹が母に
『お姉さんはいいね、金の延べ棒が2本もあるから』と言ったらしい。
妹の話だと、父が生前金を買ったと言って、金庫の中から出してきて、妹に見せたらしい。
ちゃんと、99.99%とか刻印されていたよと。
しかし、母はそんなの全く知らないし、初耳だったらしく。何かの間違いか、思い違いじゃないか?と妹に言ったと。
すると、妹が一旦電話切るわといって、旦那さんに確認しにいったらしい。また、電話がかかってきて、旦那さんも聞いたことあると言ったらしい。
そんなバカな!私が知らないのはおかしいし、そんな勝手に買ったりする訳ないと
思い違いだよと言う話で電話はおわったらしい。
ここまで聞いて
私『え!探そうよ!何処だ?金!』
母『だからね、金庫の中を見てみたんだよ』(笑)
母『金庫に引き出しあるの知ってる?』
私『知ってるよ』
引き出しをいつもは見ないけど見てみたと‥。
何も入っていなかったらしい。
私『え?その内側とかに隠し引き出しとかないの?』
母『引き出しを金庫からだしたら、その奥に何があったと思う?』
私『えっ!なになに?』と前のめりになる
母『あんたの、どうでもいい手紙が出てきた!』
え?何の?
見る?って聞くから
見るって言うと
水色の封筒を渡された
『お父さん、お母さん。私の花嫁姿はお二人にはどのように映っていますか?』と始まっている一枚の便箋。
結婚式の時のでした。
どうでもいいって言った‥‥。
そうかそうか
金の延べ棒の隠し場所が書いてあるとか
✖️印とか書いてある地図じゃなかったか〜。
2人で爆笑した。
『わかんないよ?どっかにあるかもしれんね』と言ってコーヒーを飲み干した。
そして、母がどうでも良いと言った私の手紙は再び封筒に入れられ金庫の中にしまわれた。
披露宴で泣きながら読んだ手紙‥‥。
まあ、いいや。
今度、年明けに父の弟が来るから聞いてみよっかなぁーと母は笑っていた。
父が他界して10年以上経っている。
叔母も良い歳、勘違いもあるよね。
金の延べ棒ね〜。見てみたいわ。
延べ棒って?(笑)